4:45に一度目が覚めたが、そのときの車内温度が9.9度。どおりで寒いわけだ。もう冬が来たのかな?と寝ぼけながら二度寝。6:10に起きたときは12.6度だった。道東でもとくに海沿いは冷涼らしく、夏の平均気温は18度前後だという。
その寒い道の駅「スワン44ねむろ」を出発して、さらに北上する。しばらく道東をうろつくからずっと寒いけど、ぜいたくな悩みだなあ。
まずは「奥行臼駅」跡を訪ねる。当時のまま、そっくり残されている。
駅舎のなかには入れないものの、撮影用ののぞき穴があったので。
平成元年に廃駅となり、
時は止まったまま。
ここまでうら寂しい廃駅ははじめて。観光客もだれもいない。強く印象に残る。
道の駅「おだいとう」。今夜はここに戻ってきて車中泊する予定。
「おだいとう」で昼食。海鮮うどん、ホタテ2枚にホッキ貝も入っておりダシも効いている。寒いときはうどんがいちばん。
いったん道の駅「おだいとう」を通り過ぎて、さらに北上し、今日のメイン「野付半島」へ。
道路沿いから見える「ナラワラ」。ミズナラの立ち枯れなのだが、かなり遠いのであまりよく見えない。
野付半島ネイチャーセンター。りっぱな建物だし、なかの展示も充実していて勉強になった。
ネイチャーセンターより先へクルマで進み、ひとまず「野付崎灯台」へ行ってみる。
駐車場をはなれてすぐのところに、エゾシカ発見! りっぱな角だなあ。オスだけ角があるらしい。
数分歩けば灯台にたどりつくが、
海岸はあまりきれいではなかった。曇り空だしちょっと残念。
帰ってきたら、エゾシカが増えていた。なんでタムロしてんの?
ふたたびネイチャーセンターまでクルマで戻り、今度はそこからのびている遊歩道を歩いてみる。最後に「トドワラ」という立ち枯れを見られるそうだ。
あたりは原生花園になっていて花がいっぱいでとても楽しい。アザミの蜜を吸うチョウ。
砂利道が30分続いたあとに、まだ木道が延々と続く。かなり高い位置に設置されている木道なので、落ちるんじゃないかとハラハラする。
木道は途中でふたつに分かれており、トドワラを見るには右に行く。しかし、あたりは見たこともない光景が広がっていて落ち着かない。
やれやれ、ようやくトドワラを見られた! これはトドマツの立ち枯れ。年々少なくなっているらしい。立ち枯れの木というのは、なぜか惹かれる。
背の低い緑も広がっているが、
いっぽうで砂浜にもなっていて奇妙な眺めだ。
木道の分岐まで戻り、つぎに左に向かうとますます現実感がうすれてくる。
浅い海のうえに延々とのびる高い木道。
さすがに柵が付けられているが、たえず波が動いているため、木道そのものが揺れているような錯覚におそわれて、平衡感覚をうしなってしまう。柵につかまりながらへっぴり腰で木道をたどる。
恐怖の木道がやっと終わると、つぎは砂利道が延々と。
砂利道が終わると……大量の乾いた海藻のうえを延々と歩かされる。ぱさぱさの海藻のうえを歩くなんて生まれてはじめてだ。シュレッダーの紙くずのうえを歩いているかのように、ブカブカもぐって歩きにくい。
遠くに船が見える。船で来て、このあたりを見学するひともいるようだ。
ようやく海藻ロードが尽きると、砂浜が待っている。ええっ?! いったいどこまで行ったら終わるんだろう?
砂浜をたどるとこんな光景に変わってきた。船で来たひとたちは帰ってしまって、あたりはだれもいない。ちょっと心細くなる。
そして、そのさきは……まだ、続く?
……ここはホントウに地球だろうか? まるでヨソの惑星に来たかのように、見たこともない光景がはるかかなたまで続いている。右からは波が打ち寄せているが、左は静まり返っている。
結局、いちばん端まで行くことはあきらめて戻ってきた。こんなに遠いと思わなかったなあ。片道1時間以上かかってしまった。
木道のはじまりまで戻ってきたら、運よくトラクターバスが待っていた。ラッキー! 渡りに舟、野付半島にトラクターバス♪
おかげで、歩けば30分のところを7分でネイチャーセンターに到着。
いやいや、それにしても野付半島がこんなにめまいがするほど不思議なところだとは思いもよらなかった。野付半島じたいが、全長26kmにもおよぶ長大な砂嘴(さす・砂が堆積してできた半島)で、そのカタチは潮の満ち引きによっても刻々と変わるらしい。
じっさいに歩いてみるとものすごい光景ばかりで、なかなかショッキングだった。いやあ、めずらしい体験ができたなあ。
昨日根室では近くに温泉がなかったが、今日は「湯元尾岱沼温泉シーサイドホテル」があって助かった。
小さいホテルだが、野付湾が見えていい眺め。お湯もいい匂いで満足。
今夜は少し後戻りして、昼食を取った道の駅「おだいとう」で車中泊。ここのトイレは暖房はもちろん、洗面所はお湯まで出て、さすが道東の道の駅だ。
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