私の奥底に存在するマグマは、まあなんちゅーか、エラいむつかしいことを言うとりましてね。
「『この世に生を受けたよろこび』をみんなと共有したい」
「そして、みんなでそれを分かち合ったのち、天を見上げたい」
「そう、つまり私たちは『生かされている』。そのよろこびに浸りたい」
そういうことなんスよ。
これはもう、そげなことをマグマが言うとるから、ワシにはどうすることもでけへんのよ。
べつに、ワシのオツムで考えたわけじゃおまへん。
さて、ではその方法をどうしまんねん?というと、「ピアノ、弾け!」っつーことらしい。
つまり、みなさまの前で「ピアノを演奏せい」ちゅうことだ。
そういうことを、ワシはO先生にモゴモゴ打ち明けたら、
先生「ああ、それならイチから大学へ行かなくてもいいんじゃない? いまさら学歴もいらないでしょ? だったら、東京藝大の別科とかちょうどいいわよ」
はああ? 東京藝大のナニ……?
てか、せんせえぇぇぇ!!! ソレ、どこの惑星のハナシでっか?
ワシ、ピアノ再開してからバイエルでケツ割っとるんですけどっ?!
ハノンの1番ぜんぶ弾かれへんって、さっき言うたんですけどっ?!
しかし、もはや太陽系の外を光速で巡航中の先生は、
「ふつうに大学行っちゃうとね、法律で決められてるから、ぜんぜん関係ない勉強もやらされちゃうし。体育とか……」とおっしゃる。
ああ、そうだった。先生は、ふたつ大学出ているからよくご存じで、そういうコトがムダじゃない?と言いたいんだ。
なるほど、もっともだ。
しかし、あえて「私のホンネ」を正直にまさぐってみると、いやあ、やっぱし一生に一度でいいから「大学」行ってみたいのう。
うん、キャンパスライフってのにあこがれる。だって職業訓練でさえ、あんなに楽しかったんだもん。
それに、小学校・中学校・高校が暗黒時代だったんで、それをやり直したいんだよなあ。
で、そこらへんのホンネを、地球の土着民がごにょごにょつぶやいていたら、
先生「ああ春子さん、大学、行ってみたいんだ!」と言ってにっこりした。
わはは、うれしかった~、先生にわかってもらえた~
と同時に、あ~そうだ、このコトバを親に言ってもらいたかったんだなあと気がついた。
ああ、ワシ、やっぱりまだコドモなんだなあ。
14才で時が止まったまんまや。
でもまあ、それでいいや。「それが私」なんだから。
そのままでいいや。それが「自分を肯定すること」だよね。