某芸術大学を受験するという、とてつもなく壮大な夢をいだいた私だが、なんか現実的なモンダイをぜんっぜん考えとらんわ。
まず、生ピアノを持っていない。
はじめてのレッスンでグランドピアノを弾いて卒倒しそうなほど仰天した。昨日公共の「音楽練習室」でグランドピアノを1時間弾いてもビビりまくった。
やっぱり生ピアノで練習せんとあかんな。
で、ウチに生ピアノがなくて、すっごく不便だべ。ずっと借りて弾くのめんどくせー。
なーんてブチブチ文句を垂れておったが、いやいや、そんな状況のヒトもおるやろ。
で、突如思い出した。
ピアニストB氏(←あたいが大好きなピアニスト)は、若いころウィーンに出てきたとき、ピアノを持っていなかったんだよね!
B氏は対話録で、19才の当時を振り返ってこう言っている。
「でも最初の頃は楽器を置く場所がなく、グランドピアノすらない状態でした。外の廊下に『水場』があって、バケツで水を汲んでこなくてはなりませんでした。
そして何年もの間、ピアノのある他人の家で練習をさせてもらっていました」
ワシのウチもクッソ狭いけど「水道」はおまっせ! 机から一歩のとこに流しがおます。電子ピアノからだと、三歩で流しだ。
バケツで水汲んでくるなんて、むかし震災のときくらいしか経験ないわ。
ホレ見ろ! ウチには少なくとも水道があるから、B氏より豊かな環境じゃねーかよ。
それにしても「何年もの間、ピアノのある他人の家で練習をさせてもらっていました」って、ひええ、ホンマかいな?
と、大いにうたがった私は、この対話録の英語版もしらべてみた。ワシ、英語はとっつもわからんけど、B氏の英語の本は眺めるために持ってる。アマゾンなんでもあるのう。
「For years I practised in other people’s houses.」
うわ、ホンマやわ! 何年もねえ……
そんな状況でもリサイタルやっとるんよねえ。
そんなら、ワシもずっと生ピアノなしでやったろうやないか!
ウチ、水道があるだけマシ。
あ、あとB氏はクルマの免許持ってないけど、ワシ持ってるもんね。軽トラもあるもんね!
って、しょーもないことばっかし言うとらんで、はよピアノ練習せえ。