「退職勧奨無視のふてぶてしいババア」と会社中のウワサになってる

いまの会社でパートをはじめて、まだ1ヵ月も経たないのにエラい展開になっとるのう。

ええと、8月24日が初出勤だった。

クラシック音楽に関連のある会社だから、ワシにとっては夢のような会社で、ああこんなにしあわせになってええんやろか?
そのうちクビになるんちゃうか?って思てたら、ホンマに退職してくれと暗にほのめかされたのが昨日。

いやあ、居心地はよかったんよ、ワシにとってはね。
でもさ、周りのヒトが二十代三十代ばかりで、アウェー感がすっげえんだっ!

な、なんでこんなトコに還暦近いババアがおるのっ?!
まあお客さんも仰天するわな。

なによりも同僚の若いパートさんたちが、やっぱり難儀やったんやろなあ。
そう思って当たり前だよ。ワシが二十代ぐらいのときも、六十近いバアサンなんてどう接したらええかぜんぜんわからんかったよ。

で、今日しゃあしゃあと出勤してしばらくしたら、ひとりの先輩パートさんが「昨日の春子さんのこと、会社のひと全員知ってますよ」と教えてくれた。

なるほど。うむ、ちょっとうれしかった。
なんせ目立ちたがり屋なんで、へへ、注目の的ってワクワクするじゃん!
せっかくだから楽しもうっと!

べつに隠す必要もないから、昨日の会談の様子もある程度そのパートさんに話しておいた。
風通しはよくしとこう。

てか、常識で考えてもこんだけ物忘れのはげしいババアは解雇されて当たり前だ。
そしたら、その先輩さんが「それでどうなるんですか?」という。

ワシ「いやでも、とりあえず自分から『辞めます』とは言わなかったんですよ。ココの職場好きですから」
「えーっ?! そこまで言われてもそうなんですか? でも、いまはまだ試用期間だから会社から辞めてもらうことはできる時期ですよ」

ああそうか、それはアタマになかった。
ワシ「じゃあ、いずれ会社からちゃんとクビを言い渡されるんですね。う~ん、そうなったらそれはしかたがないですね」

それなのに、その若い先輩さんは今日もまた新しい仕事をていねいに教えてくれた。
教えてもらっているときは、またまた音楽に縁のあるおもしろい仕事だったし、さっきまでのクビ談義なんかすっかり忘れて、一所懸命メモ取ってた。

その後ちょっと仕事が落ち着いたとき、てかだいたい夜の時間帯はたいそう落ち着いているのがココの職場なんだが、その先輩さんに悪いことしたかなあ?ってふと思った。
いや、そもそもワシが自分からひと言「辞めます」って言ったら、ココの会社のヒトたち全員がホッとするのになあ。

おもしろがってる場合じゃねーよっ!
てめえはココのヒトたち全員に迷惑かけとる元凶じゃねーかっ!

う~ん、どうしよう?
と、3分ぐらい考えたけど、どう考えてもココの会社にはヤバいモン(注:音楽関連の物体)が山ほどあるから、居座りを続行することにした。

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