こんなことはついぞなかったんだけど、友だちのKさんと「長電話」した。
彼女はいま勉強で忙しいし、お邪魔にならないように「ほんのちょっと」のつもりだったのに、気がついたら4時間が過ぎていた。
ワシ、こういう経験ってこれまでなくてね。だいたい友だちってずっとおらんかったからね。
だから、なんか「青春時代」みたいでうれしかったなあ。
それに「ホントウのこと」しか話さないヒトだしね。いろいろやりたいことを持っていて、いつも夢や未来を見据えて積極的に行動しているヒト。
Kさん、ある作家のことをしきりに「やさしい。やさしさにあふれている」と言っていたけど、いやいや、それはね、Kさん自身がやさしいからだよ。
心理学のジョーシキなんだけど、「自分にある要素が他人のなかに見える」からね。「自分が持っていないものは他人のなかに見えない」んで。
だから、ワシは「好きな人物、尊敬する人物」のハナシを聞くのがとても好き。それを聞くと、そのヒト自身の魅力がよりいっそうハッキリするから。
そんなKさんが、ワシが某芸術大学に行くことを「それはもう若いヒトに任せておいたらどう? 身の丈にあった夢のほうがいいですよ」って言ってくれた。
しみじみうれしかったなあ。
だってさ、しょせん他人事なんだから「ああ、行きたいならどうぞ。応援してます」って無難に言うことはいくらでもできるでしょ?
そのKさんのことばを聞いて、確かにそうかもしれんとすなおに感じた。
だいたいいっちゃん困ってるのはピアノの先生だから、つねに申し訳ないと思ってるし。
それに、Kさんはワシの手が具合悪いことを心配して、ピアノや仕事のことでもアドバイスしてくれた。
これも本当にうれしかったしありがたかった。やさしいなあ。そのやさしさって、Kさんの敏感さなんだよね。想像力の巧みさとも言える。だからこそ共感できるんだ。
で、いろいろ考えたよ、大学のこと。
行くの、やめてもいいと思うよ。べつにそんなに執着してないんだ。
「行きたい」ってあこがれはあるし、めざしているけど、「なにがなんでも」じゃない。
もしホントウにご縁があるんだったら、そういうトコに着地する可能性もありかな?って感じ。
だって「音楽の本質」と「大学教育」は関係ないもんね。
「音楽の本質」は、ピアノの先生が十二分に教えてくださるのだから、ホントはそれ以上必要ないでしょ?
なので、もう一度考え直してみようかな?と思った。
ただし、あのクズマンションがちゃんと売却できたときに棚卸ししよう。
カウンセラーO先生は、先日のセミナーでこう言われた。
「春子さんのミッションはなんでしょう? それを考えてください」
なにゆえ、この世に生を受けたのか?
なにを成すべきために生まれてきたのか?
あと三年で還暦なのだから、当然向き合わないといけない最重要課題だ。
でも、なによりもその「ミッション」について、貴重なヒントを与えてくれたKさんに感謝。
Kさん、あなたのやさしさゆえに、私は「本来の自分」を見失わずにいられるよ。