すでに解雇が決まっているパートだというのに、今日も仕事が楽しかった。
周囲のヒトたちみんなが、これまでと変わらず好意的に接してくれる。ワシが困っていないか、絶えずだれかが注意をはらってくれている。
クビを宣言したエラいさんご本人も、にこやかにごくふつうにあいさつを交わしてくれる。
そう、つまりたまたまマッチングしなかっただけだよね。ワシも会社もなにも悪いことをしとらんよね。とてもいい出会いと別れを経験できそうだ。
けれども、今日ワシがたいそう気分がよかった理由は、べつのところにもある。
それは「今日の日付と曜日」を丸一日完璧に記憶していたことだ。
いついかなるときでも「今日は、13日の日曜日である」ということを瞬時に思い出すことができた。
それは、あの記憶術を使って定着させたのだ。「ストアカ」(ストリートアカデミー|まなびのマーケット)で見つけた「シンが教える記憶術」で伝授してもらった方法で、今朝のうちに「日付と曜日」をしっかり記憶した。
たったそれだけのことなんだけど、このうえなくしあわせだった。
「今日は何日だろう?」ってことを、パソコンの隅のちっせえ日付を探さなくていい。カレンダーを見なくていい。腕時計に付いてる日付表示を苦労して読み取る必要もない。
とくに仕事中は、今日は何日であるか?ということをしょっちゅう記入しないといけない。けっこう手書きが多いのだ。パソコンで無精こいて「Ctrl+;」をブッ叩いて日付入力するだけでは済まないんだ。
そしたら、記憶術で覚えた「今日の日付と曜日」が瞬間的におもしろいほど出てくるもんだから、いやもう晴れ晴れとした気分になったねえ。
いったいなんだろう? このとてつもない解放感は? このよろこびは?
ああ、それはだね、これまで「今日が何日か?」すら覚えられない自分を「責めていたこと」が原因なんだよ。
「自分を攻撃」してたんだよ。
「オマエは、日付もよう覚えんドアホや!」って、毎日「自己否定」してたんだよ。
いっつもオノレをシバき倒しとったんよ。
そりゃ傷つくよね。そりゃ気分も悪なるわね。ほかでもない、自分が自分に「ドアホ!」っちゅーてるんやから。
とまあ、気づいたわ。
心理学の勉強はじめて数年になるけど、いやあ、ホンマなっかなか気づかんもんっスねえ。
どのカウンセラー先生からも「自己否定やめなはれ、自己肯定感上げなはれ」ってたぶん何百回も言われてるし、もちろん自分でも「心理学の行き着く果てはソレしかない」ってわかってやってきたつもりだったけど、わからんかったわ。
でもね、心理学では「正解」はないんよ。
1.「日付を記憶できない自分」をそのまま認めて、自己肯定感を上げる。
2.「日付を記憶すること」によって、その結果に満足して自己肯定感を上げる。
1でも2でも、どっちも正解。オノレが好きなほうを選んでよろしい。
あ、王道なのは「1→2」という経過をたどるヤツかな。
まずは「ありのままの自分」を認める。ソレでいいとする。うん、日付なんて覚えんでよろしいとする。
そうしたうえで、「う~ん、だけどちょびっと成長してみたいし、覚えてみよっかなあ?」という気もちになったら、覚えたらよろしい。
ワシは今回たまたま「記憶術使ったら、たまげるほど完全に覚えられた」ことによって、あまりにも気分爽快になっちまった。
なんで、こないにしあわせなんやろ?って思い巡らしたら、ああそうや、これまで長年「自己否定」やっとったんやなあってはじめて気づいた。
あらためてしみじみ思ったけど、「記憶している」ってなかなか楽しいことなんだねえ。
たかが日付であっても、一日何度も使うモンだから、それを瞬時に引き出せるってのは、まるでピアノでトリルがクルクルっと決まったみたいにスゴい快感だ。
でも、「記憶ってすっごく楽しいですよ~」ってことは、あのシン(宮地真一)先生がナマで伝えてくれたんだよなあ。
それでさ、ピアノもおんなじ。「音楽ってすばらしいですよ~、うつくしいですよ~、ピアノってものすごく楽しいですよ~」って、それもやっぱりピアノの先生から爆風みたいに伝わってくる。
とりあえず結論。
「めっちゃ楽しそうに活き活きしてる専門家に会いに行くとよろしおま」