いや、「自主トレーニング」なのよ。カウンセリングの勉強のために、受講生同士でトレーニングを行なうことになっている。
ええと、ワシは「将来、カウンセラー、セミナー講師になる」という壮大な夢を抱いているので、今月からカウンセラー養成講座に通っている。大塚あやこさん(あやさん)が主催されている「ビリーフリセット・リーダーズ講座(通称・BRC)」という講座で、今年3月から12月までカウンセリングを学ぶ。(「ビリーフリセット心理学」とは、あやさんが提唱された心理学の技法。)
BRCは、東京で月に2日間開催される。そのときは講義と実践(ワーク)、そしてあやさんの公開セッションなどが行なわれるが、「カウンセリングの練習」はほんの少ししかできない。当たり前だけど、ものすごくたくさん修練を積み重ねないと、人様にカウンセリングなんてできない。
なので、翌月の講義までにカウンセリングの自主トレーニングが義務づけられている。受講生同士で連絡を取り合って、「自分がカウンセリングする→最低2回」「だれかにカウンセリングしてもらう→最低2回」やってみないといけない。
う~ん、受講生のほとんどが東京のヒトだからなかなかキビしい。でも、ワシと同じ地方に住んでいるヒトがひとりだけいてくれた。そして、今日は東京のヒトがたまたまこちらに来る機会があり、そういうわけで3人で「カウンセリング自主トレ」をやることになった。
それにしても、このBRCの受講生さんというのは、ものすっっごく優秀なかたばかりなんだよね。みなさん、非常に真摯でまじめでいらっしゃるし、それに職業や経験もめちゃくそスゴいかたばかりで、いや、いったいなぜワシみたいな下流老人が迷い込んだんじゃろ?
今回ごいっしょしたAさんとBさん、たぶんおふたりとも二十代かなあ。でも、本当に誠実でまじめなお人柄がヒシヒシと伝わってくる。そして、カウンセリングをなんとしてでも習得したいという意気込みがあふれている。感動したなあ。
さて、ワシは一度だけカウンセラー役をやらせてもらった。時間は30分。練習とはいえ、生まれてはじめてカウンセリングをした。Aさんの悩みを聴くことになった。
カウンセリングの「心構え」はいろいろあるけど、ワシはそれぜんぶ覚えられなくて、ふたつだけに絞った。「この人にとっての最善が起こりますようにと願う心」と「相手を信頼し慈しむまなざしで」のふたつのみ。
あと、カウンセラー役としての「姿勢(ホントに体全体の様子)」と「あいづち」のやり方は、あやさんのマネをがんばってみた。そういうのはもう、ピアノのレッスンといっしょで、「先生の弾きかた」をマジマジ観察してマネするのと似ている。
そもそも、あやさんのカウンセリングがものすごくすばらしいから、すっごくおこがましいのだが、あやさんの講座へ通ってカウンセラーになりたいと思った。だから、当然あやさんのマネがしたい。あやさんみたいに、ものすごくホッとするようなあいづちを打ちたい。
やっぱり「強烈にマネしたい」とつねづね思っていると、ピアノであれカウンセリングであれ、ほんの少しばかり「方向」はわかるような気がする。
30分間、Aさんのお話を傾聴して、そのあとAさんの感想、そして見守っていたBさんの感想を聞いてみたら、「とてもいいあいづちだし、相談者さんが『感情』を味わうための間の取りかたがよかったです」と言ってもらえた。
そう言われて気づいたけど、そうか、「間合い」って大事なんだな。音楽の休符といっしょなんだなあと思った。
ただし、Bさんがひかえめに教えてくれたけど、「『防衛ビリーフ』を気づくための質問があるとよかったですね」とのこと。「防衛ビリーフ」とは「そのひとの行動を制限している思い込み」のことで、たとえば「迷惑をかけたら、嫌われる」とか「いい人でないと、好かれない」とか、そういった「恐れから逃げるための行動原則」だ。
「ビリーフ」とはさまざまな種類があるが、とりあえず「防衛ビリーフ」はわかりやすいらしい。そのビリーフを「相談者さんが自分で気づくために」、適切な質問をカウンセラーがする。これって「カウンセラーが教える」のではなく、「相談者が自分で気づく」のがキモなのだ。
いやあ、ワシ、防衛ビリーフのことなんかぜんぶ忘れていたわ。す、すみません。てか、おふたりともものすごくちゃんと復習されていて、まあもう、オノレの勉強不足が露呈したよ。
それと、30分がんばってみたものの、結局「相談者さん自身が、自分の力で潜在意識にあるビリーフに気づく」というところからはほど遠かった。いやいや、ものすごくむずかしいもんだねえ。なにをどうすればそういうところに行き着くのか皆目わからなかった。
けれども、う~ん、そうだなあ、自分で思うに「箸にも棒にもかからない」ということもない。どうしようもないって感じじゃない。ずーっと話を聴いていて、う~ん、かすかに「イメージ」のようなモノがごくうっすら見えるような気がした。そういったモノをもっとはっきり見てみたいという気もちはあるなあ。そして、もっと深く潜りたいとも思うなあ。