「言いたいこと」を、どんなふうに他人に伝えるか?
これは私にとって非常に難題で、結局うまくできそうにないから「なんにも言わない」ってとこに逃げている。たぶん「ごくすなおに言いたいことを言う」のがよさそうだと思うものの、なんかねえ、これはやっぱり幼少期から「なにか言えば→エラい目に遭う」と思い込んでいるので、ほんとうまくできないんだよね。
しかし沈黙していても、相手はちゃんと感じるんだよ。いくら「ホンネ」を隠していても、ホンネ「周辺」に「ホンネ、わかってくれよ」みたいな雰囲気をかもしだしているからね。でも、ホンネそのものを言わないで知らん顔してる。
そういうヤツって超めんどくさいよね。いわば無言の圧力かけてるんだよね。「おまえ、ちゃんとわかれよ。ヒントは出してるんだから、ほれ、気を利かしてあたいのホンネわかってな」
ま、相手をコントロールしてるんですな。そりゃイヤがられるよな。
でもまだうまくできない。うまくやる方策もない。ホンネはこのクソブログにしか書けない。
しかし、だ。「ホンネはぐらかし癖」は思わぬところで露呈した。
▼ショパン:ワルツ Op.69-1
▼私は、こういうところの「てっぺん」(赤丸)を「抜く」癖がある。11小節目、27小節目。
その「てっぺん」の直前まではクレッシェンドするのだが、「てっぺん」でふいっと音を小さくしてしまう。
このショパンワルツに限らず、これまでもおんなじようなことをついやっていた。これ、なに考えているかというと「てっぺん」をうまく出す自信がないからだ。ほんとはパァンときれいに適切な音を響かせたいけど、べちゃっときちゃなくなりそうで、あ、とりあえずやめとこ、無難に逃げとこって思ってふいっと抜いてしまう。
いや、響くように練習したらいいのに、なぜか「うまく逃げる練習」になる。
そしたら、昨日のレッスンでとうとう先生に言われてしまった。
「頂上で抜かないでください。いつもそうされるとストレスになりますよ。なんか、言いたいことがあるのにちゃんと言わないみたいでイライラします」と、先生はぜんぜんイライラされずにふつうに説明してくださった。
さらに「同じこと言うのでも、すごく回りくどいしゃべりかたするひといるでしょ? それみたいですよ」
はあああ、ピアノもそうなってましたかぁっ!
ほんとそうだよね。これって「♭ソ」が「ホンネ」だよね。そのホンネを言いたいがためにクレッシェンドしてるのに、肝心の♭ソをちゃんと出せない。はぐらかしてしまう。そしたら、聞いてるひとはイライラするんだあ。
あああ、実生活でもこんなんやってるんだろーなー。58年間そーなんだろーなー。
それにしても「逃げる癖」ってピアノにも出ちゃうんだねえ。とりあえずピアノではちゃんとホンネを出せるようにしたいよ……