知り合いに貸していたお金が戻ってきました

妙ないきさつがあって、あるヒトにお金を貸していました。そのヒトAさんは私の両親の知り合いです。両親とAさんは十数年のつきあいがあったそうですが、私は全然知りませんでした。そもそも、私は過去に長い間両親から勘当されていたので、その期間は親とまったく音信不通だったんです。

勘当されてしまった理由は、まあ大ざっぱに言うと、私が両親の思うように行動しなかったことが原因です。加えて、当時私は体調をくずして入院しており働けない状態で、このままだと両親に医療費や生活費の負担がかかりそうだったため、両親がそれを避けたくて「もう関わりを持ちたくない」ということになりました。

まあ、いきなりこういう事態だけをお話すると、私の両親がひとでなしみたいな印象になってしまいますが、父も母も生家がとても貧しく苦労して育っただけに、たいへんお金にシビアだったんです。コドモのことは心配だけど、自分たちの生活は自分たちで守るしかない。たぶん両親は複雑な思いながらも、私から距離を置くことにしたのでしょう。

私はというと、母がとても干渉的なひとだったので、勘当というよりも「やれやれ、ようやく釈放されたぜい」とずいぶん晴れ晴れしていました。ずっとあとにカウンセリングを受けてわかったんですが、母と私は母子癒着の状態だったんです。共依存とも言いますね。

それで、晴れて自由の身となった私は、はじめてシャバの空気を吸って思う存分のびのび暮らしていたのですが、9年後に新たな展開が待ち受けていました。当時83才だった父が脳梗塞で寝たきりになってしまったのです。私は介護要員として急遽呼び戻されました。

それからしばらくは両親中心の生活が続きました。妹の尽力のおかげで、私が父を介護したのはほんの短期間でしたが、難物は母ちゃんでした。まあ、母の生い立ちを考えるとしかたがないんですよね。母は、実の母(私の祖母)に幼いころに捨てられてしまったんです。母はその恨みつらみをどうしても解消できなくて、そこいらじゅうのヒトたちに当たり散らし、怒鳴りまくる人生を余儀なくされてしまいました。

母自身もそんな自分がイヤだったにちがいありませんが、どうにも自制できなくてわがままの限りを尽くしてきました。80才を超えてもそのわがままぶりは衰えることなく、とうとう「マンションを買ってくれ」と言い出しました。まあ、昔は両親の持ち家があったんですが、ソレは運悪く地震でつぶれてしまったんです。前の前のデカい地震でね。以来、両親は賃貸住まいだったんですが、ここに来て「あのマンションに住みたいから買って欲しい」とのこと。

私は定職についていないのでもちろん買えない。すると、妹が住宅ローンを組むことになる。妹は私とちがってまじめに働いており、ローンを借りられるだけの収入はあります。でもねえ、妹だって当時もう49才、そんなトシで母親のためにローンを返すってどうなんだろう? しかも妹自身は賃貸にしか住んでいないのに。

結局、そのマンションの売買契約日の前日に、私の一存で不動産屋さんに連絡して「このハナシは白紙にしてほしい」と頼みました。もう契約までハナシが進んでいたわけですから、当然大モメにモメたんですが、私が多少の慰謝料を払って最終的には白紙にしてもらえました。

そのときのイザコザにからんで、私はAさんにお金を貸すことになってしまいました。じつは、Aさんのおかげで穏便に白紙撤回まで持って行けたんです。ですからそれは、まあしかたがなかったんですが、私も貧乏ですからね、貯金の大半を渡してしまって困りました。

ちょっとエグい話でアレなんですが、Aさんもかなり高齢のひとでしかも独身。私は、父が脳梗塞で倒れたなれの果てを見ているだけに、失礼なんですがいろいろな意味で心配でした。でも、こっちに落ち度があるのですぐに返してほしいとは言えない。

1年ちょっとモンモンとしていましたが、思い切って「事情がありまして、すみませんがお金を返してもらえませんか?」と頼みました。去年の11月のことです。まあ、お金を貸したときはAさんも「必要なときはすぐに返しますよ」と言ってくれたんですが、いやいや、そうすぐにはウマくいきませんでした。

しばらくやりとりしていましたが、途中でAさんから連絡がなくなった時期もあり、かなりヤキモキしました。もう最悪の場合、お金が返って来なくてもあきらめようかな?とも思いました。

けれども、大丈夫、Aさんはちゃんと全額返してくれました! 4回に分けてだったので、悪かったなあと思いましたが、いややっぱり返してもらってよかったです。まあ、でもどんな事情があっても、お金の貸し借りはあまり感じのいいモノではありませんね。今回のことはひとつの教訓になりました。

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