遠方の心理学初級講座 2回目 (ちょっと浮気で済むのか?)

3年前からお世話になっているカウンセラーはN先生(男性)なのだが、昨日私は2回目の浮気?に走ってしまった。じつは才媛のO先生に惹かれてしまって、O先生主催の心理学初級講座をないしょで受講したのだ。初級講座なので全2回でおしまい。

うつくしく聡明なO先生に会えるのなら、片道12時間の遠路もなんのその、よろこびいさんで出席した。私はビアン寄りのバイセクシャルだしね。ところが私の脳ミソは「シングルタスク」仕様である。ま、男性に多いらしいが、おっさんな私はそのシングル度もヒドくて「聴く」のと「見る」のとを同時にできない。

だから、講義を「聴く」のに集中すると先生の姿が目に入らない。逆に先生に見惚れていると、講義の内容がまるっきりアタマに入ってこない。なかなか悩ましい状況だったが、今回は思い切って「見る」のを優先したので、うむ、うつくしい表情だのきれいな身のこなしだのを堪能できた。で、何しに行ったんだっけ?

つか、1回目の講座内容もまだブログに書いていなかった。要は「初級」講座なので、心理学をもっとも基礎から、そしてO先生独自のメソッドにもとづいて学ぶ内容だ。私は長い間N先生のセミナーばかり受けていたが、N先生はすべてアドリブで話されるし、レジュメを用意されないことも多い。なので、復習にはけっこう苦労するんだよね。

ところが、O先生はあらかじめオリジナルテキストをピシッと作成されており、しかもそれが非常にわかりやすい。おそらくイラストも先生が作画されたのだと思うが、すこぶる理解の助けになる。O先生は作曲家でミュージシャンでもあって、セラピストであり講師であり、ブロガーでもあり絵の才能もありで、いったい何者でいらっしゃる?

さて、心理学の基礎としては「感情の扱いかた」「観念(思い込み)」「抑圧」「投影」といったおなじみの概念についてくわしい講義。おなじみだけど「投影」はむずかしくて実感しにくいものだ。以前N先生が「私も『投影』が腑に落ちるまで3年ほどかかりました」とまで言われていた。

「投影」とは「自分の内的世界が外的世界に映し出されている」という考えかた。って、コレ、はじめて聞いたら何のことかさっぱりわからないよね。ええと、ごくかんたんに説明してみよう。

たとえば、Aさんが「目立ってはいけない」というルールを自分に課したとする。まあ、Aさんは日ごろから「絶対に目立ったらあかんわ、控えめに控えめに」とつねに気を付けているわけだ。このとき、Aさんのココロのなかでは「目立つ自分」というものが「抑圧」されて「潜在意識」に沈み込んでいる状態なのだ。

そうすると、Aさんの顕在意識では「あ、私はいつも気をつけてるから大丈夫。絶対『目立つイヤなヤツ』じゃないよ」と思っている。ところが、このAさんの前にはなぜか「目立とうとする人、でしゃばる人」が現われてくるのだ。すると、Aさんはそのヒトを見るとめっちゃムカつくんだよね。

「ああ、イヤなヤツだなあ! あんなに目立とうとして、見苦しいったらありゃしない!」。もう、そのヒトを見るたびにイライラザワザワする。しかも、どこへ行ってもそういうヒトが現われる。テレビでも目にする。そのたびにイライラ悩まされる。(ちなみにAさんはウチの母ちゃん)

これはどういうことかというと、Aさんの潜在意識下にある「目立つ自分」が、外の世界に「投影」されて、「目立とうとする人、でしゃばる人」として現われているのだ。この考えかたは心理学では常識とも言える概念だけれど、実際肚に落ちるまでは時間がかかることで有名。

心屋仁之助さんは非常にウマいたとえを使っていて「抑圧するもの=見たくない自分=痰みたいなもの」で、つまり自分が吐いた痰を見て「キッタねえなあ」と文句を言っているというわけ。もともとその痰は自分のなかにあったんだけどね。

そもそもなぜこんな現象が起こるのかというと、「ないもの」にされてしまった「目立つ自分」が「顕在意識に認めてもらいたい」がために、目の前に「目立ってしゃあしゃあとしているヤツ」を連れてくるのだ。「目立つ自分」も「自分」なんだ! 認めてくれよぉ! 殺したはずの自分が蘇っているのだ。

だから、そこで思い切って「ああ、私のなかに『目立ちたい』という願望があった!」と心の底から認められたら、その時点で心が一段階成熟するのだけど、コレ、なかなかむずかしいんだなあ。そりゃ、もともと大嫌いだから「切って捨ててしまっている」わけで、でしゃばりだのわがままだの怒るだの、そういうのを全面的に長年禁止してきたヒトには非常にむずかしい。

心屋さんいわく「痰ツボの痰、飲んでください」…………う、マジっすか?

こういうしくみだから、抑圧している(ガマンしたり禁止したり)ものが多ければ多いほど、自分のまわりにキラいな人間、苦手な人間、問題をもたらす人間が増えてくる。まあ、抑圧ってつまり自己嫌悪のことでもあるから、自分を嫌っていれば嫌っているほど、まわりに嫌いなヒトがどんどん増える。

それで、逆に考えると、自分のまわりにどんなヒトがいるか? 自分はどんなヒトにザワザワするか? を見てみれば、「自分は何を抑圧しているか?」に気づくことができるのだ。だもんで、N先生いわく「キラいなヒトが現われたら『師匠!』と呼べ」。みなさん、ウマいこと言わはります。

といった、ややこしいけど醍醐味でもある「抑圧と投影」についても、O先生は感激するほどわかりやすく教えてくださった。グループワークもいろいろやったが、なかなかに親密感も味わえて、私が長年抱えていたわだかまりもずいぶん解消できた。

ああ、それでもう初級講座は終了なのでスゴく寂しい。しかし初級があれば、当然そのうえの中級、上級もあるわけで、ふへへ、困ったな、これからどうしよう? 浮気が本気になるってこんな感じかね?

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