若いころになにも考えていなかったので、とうとう「プロ」になれなかった。どんな分野でもいいのだが、なにかの「プロ」になりたかったんだけどね。プロにあこがれていたけれど、結局なんにもなれなかったよ。
なにかのプロになるためには、コツコツ努力し続けて、そうだな、少なくとも10年以上はそれをやり続けることだろうか。ああ、そういうモノはまったくないな。
いまの職場は、ふつうの会社とはちょっとちがっていて、大半のひとが専門職だ。役割に応じた専門資格を持っているひとが大勢いて、たぶんみんなほぼ一生同じ業界で働くみたいだ。あ、パートは無資格のひともいる。それでも、長年専門の仕事を有資格のひとと同等にやっていて、りっぱにプロっぽいひともいる。
大学でちゃんと専門分野を学んで資格を取っているひとや、パートでも努力して有資格者並みのウデを持っているひとを見ていると、あ~、私も若いうちにもっとよく考えておけばよかったなあと思ったりする。
私は高校卒業後、両親が希望した会社に就職して、単純な事務の仕事をやっていただけなので、なにか自信になるような技量を持っていないんだよね。そこんとこが不満で、職業訓練に行ってみたけれど、それもなあ、2回とも途中でやめちゃったし。う~ん、ホンットウにコツコツ努力ってのができないっ!
ええと、18才~55才までの38年間、私はいったいなにをしていたんだろう? まあ、そのうち13年間は引きこもりだったし。
ただ、なぜかわからないけど、いまの上司は「勉強なんて、学歴・資格に関係なく、だれだってできるでしょ?」というスタンスなので、私をあちこちの勉強会に放り込んでくれる。場違いなのは明らかなんだが、それなりに回数を重ねるうちにちょびっとずつわかることも増えてきた。
そして、自分に与えられた仕事に関してはほんの少しだけ前に進んでいる(ような気がする)。「毎日やっている」からなんだよね。仕事の強制力は偉大だ。そして、パソコンを使う仕事が大好きだから、楽しんでやっているうちにどうにかなりつつある。
もしかしたら「プロになる」というのは、べつに特別ななにかをめざさなくてもいいのかもしれない。目の前にある仕事をとにかくやっていたら、まあもうそれでいいのかもしれない。「何者か」を目標にするんじゃなくて、ぽーんと降ってきたものを「あ、コレやるの? へぇ、やりまっせ」でもちゃもちゃやるのが、どうやら自分には向いているみたいだ。