7:00起床。車内温度22.7度。ちっとも寒くなくて助かるが、昨夜9時半には横になったのに寝つけなくて困った。移動しつづけるということは、やっぱり落ち着かないわけで、なかなか熟睡できないね。ただし日中に眠くなることもまったくない。
昨夜、道の駅「流氷街道網走」は車中泊のクルマで埋めつくされていたが、みんな静まり返っていて、ああよく眠れているんだ、うらやましいなあと思いながらモンモンとしていた。
ノロノロ起き出して、港近くでまずは「帽子岩」を眺める。
反対側は「能取岬」(のとろみさき)方面。あ、晴れてきたなあ。
見たら行きたくなったので、能取岬へ向かうと、うわっ、能取岬ってものすごくいい! モノトーンの灯台がうつくしい。
広大な緑の原が見渡すかぎり広がっている。いろいろな岬を見てきたが、ここまで広いのははじめてだ。思わず深呼吸。
能取岬は、それほど有名な岬ではないけれど、こうしてじっさいに見てそのすばらしさに驚いた。
オホーツク海の水平線だ。
なだらかな平原は、岬でぷっつりおしまい。切り立った崖となっている。
能取岬から西に延びる海岸。
すぐそばに山も見えるのでいっそう楽しい。
予想以上によかった能取岬の帰り道で、「二ツ岩」への標識があったので、ふうん、なんだろう?とついでに寄ってみる。
駐車スペースからすぐのところに、こんなに迫力のある岩が! でも、ひとつしかないよ。岩に穴はふたつ開いているけど。
親子連れ4人が岩の右のほうへ歩いて行ったので、私も付いていった。岩くずのうえをころばないように慎重に回り込むと、
おっと! もうひとつ岩が見えてきたぞ。
うわあ、これまた奇っ怪な岩じゃのう。こんなにおもしろい「二ツ岩」なのに、どのガイドブックにも載っていない。
あたりの海は、これもまた妙な様相だ。私はほとんど海に行ったことがないので、海の奇妙な景色にひどくとまどう。
ところが、だ。二ツ岩マジックはここからはじまる。ふたつの岩のあいだにある不明瞭な踏みあとをたどっていくと、
いきなりぽっかりと前方がひらけて、うつくしい浜辺があらわれたのだ!
親子連れのひとに教えてもらったが、ここは引き潮のときだけ来られる浜だそうだ。ううむ、地元のひとしか知らない秘密の浜なんだろうか? こんなにすばらしい浜辺というのに、数人のひとしかいなくて、おだやかな波音がひっそり響くだけ。
う~ん、いきなり別世界に連れて来られたみたいだ。こんなにうつくしい海がなぜいきなり降ってわいてきたんだろう?
例によって、向こうはどうなっているかが気になるので、ぽてぽて歩いて行く。茫洋と広がる海をながめ、静かな波音を聞きつつ、ゆっくり歩を進めていく。この光景はきっと一生忘れないだろうなあ。
30分ほどかけて最初に見えていた突端を回り込むと、つぎの海岸線が見えてきた。
振り返ると、二ツ岩がずいぶん小さく見える。
そろそろ引き返そうかと思いつつ、もう少しもう少しと先に進んでしまう。
しだいに迫力満点の絶壁に取り囲まれ、
その絶壁がくずれて岩塊がころがっているところで、ようやく引き返すことにした。
で、浜が妙ちきりんな具合だ。砂がスパゲティのようにうずまいて小さな山を作っており、それが無数に広がっている。
なんじゃこりゃ?
あとで調べたら、「ゴカイのフン」だとわかった。砂を飲み込み、なかに含まれる有機物だけ吸収し、残りの砂を排泄してそれが小山になっているそうだ。海は神秘的だなあ。
ゆるゆる引き返してきて、二ツ岩が大きく見えてきたらホッとした。
名残りおしく空をあおぐと、きれいな雲が広がっていた。
二ツ岩のあいだを通り抜け、岩のうえをえっさえっさ歩いて戻ってくると、ふつうの浜に出てきた。やれやれ、ちゃんと現世にもどってこられたよ。
けれども、二ツ岩の前と後ろではまったく景色が異なっていて、ちょっとした異次元トリップを味わえてしまった。
興奮は温泉で鎮めよう。「ホテル網走湖荘」で日帰り入浴。
ここのホテルもなかなかきれいで、7つもある湯船がものすごく広くてびっくり。100人ぐらい入れそう。
ロビーで休憩できるし網走湖も見える。視界になにがあるかというのは大切だな。
今夜も引き続き道の駅「流氷街道網走」で車中泊。二ツ岩の浜辺は何度も思い出してしまうなあ。