北海道放浪60日目|カナディアンワールド公園、バブル遺産というにはあまりにも残念

北海道80日間放浪

7:00起床。車内温度17.7度。今朝はときおり小雨が降っている。

車中泊した道の駅「ライスランドふかがわ」は、国道12号線と233号線が交差する場所で、コンビニも併設されているので、深夜早朝でもなにかとにぎやかだった。

よく眠れたので問題ないが、もう少し静かな道の駅に泊まりたかった。

さて、これからしばらくは南下する予定。

深川から南へ、交通量が非常に少なそうな道をどんどん進むと夕張にいたる。ヒトやクルマが極力少ないところをうろつきたいわけだ。

▼まずは巨木に会いに行く。「黄金水松(こがねみずまつ)」。

▼イチイの巨木。樹齢1700年というのに、みずみずしい葉が茂っていて驚く。

▼幹の太さは全周6.2mもあるそうだ。囲いがしてあるので触れられなかったが、しばらく畏敬の念を持ってながめる。

それから「カナディアンワールド公園」へ向かった。ここは一度のぞいてみたかったのだ。

しかし、楽しみに行くという表現は語弊があるかもしれない。

「カナディアンワールド」とは1990年芦別市に開園されたテーマパーク。

「赤毛のアン」をメインに、カナダをテーマとしたたいへん広大なパークだったが、開園当初から集客が思わしくなく1997年には閉園となってしまった。

けれども、1999年以降は芦別市が市営公園として無料開放しているので、施設の一部をいまでも見ることができるらしい。

公園に行きつくまでも「カナディアンワールド線」という名称の道路があり、しかしクルマは一台も通っていない。公園の入り口から建物までもかなり距離がある。

▼おそるおそるクルマを走らせていると、ようやく遠くになにかが見えてきた。

▼ふいに、建物が立ち並ぶ広場がぽっかりとあらわれる。

▼19世紀カナダの街並を再現したそうだ。

▼ほとんどの建物は封鎖されているが、このPRセンターは入ることができて、

▼芦別市の観光地写真やカナディアンワールドのミニチュア模型、

▼過去に行われたイベント展示など。写真があるイベントは2011年のものだった。

▼並んでいる建物はかなり老朽化している。

▼しかし廃墟にはほど遠く、やはり最低限のメンテナンスはされているようで、苦労がしのばれる。

▼かつては園内を走っていた小さい列車。

▼先頭車両は、公園の入り口に置かれていた。

▼遠目にみると、いまでもいくばくかの夢を与えてくれそうだ。

▼園内で見学できるのは「グリーンゲイブルズ(赤毛のアンの家)」。

▼なかに入ってびっくり、ここは非常に管理が行き届いている。PRセンターの様子を見てあまり期待していなかったが、アンの家だけはまったく例外。これは「客間」を再現したもの。

▼こちらは「ダイニング」。壁紙やカーペットにいたるまでじつにみごと。

▼マシューの部屋。私は「赤毛のアン」をうっすらしか覚えていないが、たしかアンは、マシューとマリラの兄妹に引き取られたんだよね。

▼2階へあがり、これが「アンの部屋」。

▼そして「マリラの部屋」。マリラはおっかないおばちゃんという記憶しかないが、いま読んだらどうだろう?

▼「裁縫室」。どの部屋もなかには入れず、入り口からのぞくだけだが、クオリティの高い再現なので見入ってしまう。

こんなに満足する展示だとは思わなかった。開園したころは、きっとほかの建物もすばらしかっただろう。

▼マンホールまで、アンのイラストをあしらった専用のものだ。こんなに凝ったテーマパークだったのにね。

▼アンが通っていた教会もあり、

▼その入り口にあったのはたくさんの「ブライダルプレート」。ここで挙式をしたふたりの手形と年月日をかたどったプレートがずらりと並んでいた。

▼レンガ造りの重厚な建物も、階段にはびっしりと雑草がはびこり、

▼プラスチックのチェアやテーブルさえも苔むしかけている。

▼敷石が緑に埋もれようとしているが、

▼池には、なにごともなかったかのようにスイレンが一輪。

▼こうなることも、きっとなにか必然だったのかもしれない。

▼ごく限られたところだけだが、ちゃんと花が植えられていた。維持しようとがんばっているひとたちの気もちが伝わってくる。

▼もう公園をはなれるときに、高台から建物群を見渡せた。なんだかいじらしいような光景。

だれも来ないわけではなく、あとから3台のクルマが来て、なかには親子連れも見かけた。ぽつりぽつり入園者がいるようだ。

▼わびしい夢からさめたあとは、近くにある「芦別温泉」へ。

こちらもけっこう年季が入った建物だけど、まずまずお客さんは来ている。そういえば温泉施設はどこも年配のひとがおおぜい。

▼公園から南に行くと、道の駅「スタープラザ芦別」。ここはクルマもまばらで夕方からもう静か。あしたの朝まで落ち着いて寝られそうだ。


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