北海道放浪75日目|縄文文化交流センターの土偶、トラピスチヌ修道院が私に教えてくれたこと

6:45起床。車内温度12.5度。冷えこんだ朝だったが、寝袋と毛布で寒くはなかった。道の駅「しかべ間歇泉公園」のトイレはしっかり暖房してあるので、なかに入るとホッとする。

コンビニにも少しずつパンが入荷するようになってきて助かる。朝食は、そのパン、野菜ジュース、スティックコーヒー。

近場の道の駅「縄文ロマン南かやべ」は、ミュージアムも併設しているとあって、たいへんスタイリッシュな外観だ。

この道の駅は、国内で唯一「国宝のある道の駅」。そして、そもそも北海道には国宝がひとつしかないらしい。

さっそくミュージアム「函館市縄文文化交流センター」に入る。

思っていたよりもずっと充実したミュージアムで興奮気味。

土器や石器もじっさいにまぢかで見ると、はるか昔のご先祖がどういう生活をしていたのか思いめぐらせて興味深い。

さて、国宝の「土偶」はいちばん最後に独立した部屋に展示されている。
ちょっと残念なことに、実物はいま現在ほかの博物館に貸し出し中で、ここに展示されているのはレプリカとのこと。

しかし、経路の最後にある一室の真ん中で、小さなスポットライトに照らされた土偶を見ると、

おお、これはなんと気高く威厳に満ちた姿だろう!

その表情に心を奪われてしまう。

旧南茅部町で出土した縄文時代後期(約3,500年前)の土偶とのことだが、時空を超えて迫ってくる存在感がある。
泰然とした眉、それでいて安らかで茫洋とした目鼻立ち。向かい合っていると、気もちが凪いでくる。

思いがけずものすごい土偶を見られて非常によかったが、土偶を見て感動している自分にもおどろいた。え? そういうものにまったく興味がなかったのになあ。

う~ん、旅をしていると、結局「自分が知らなかった自分」を発見できるとも言えそうだ。
だから「自分探し」という観点から旅を考えると、たしかにぞくぞくと自分が見つかるなあというのが私の実感だ。

土偶とお別れしてから、亀田半島のはしっこ、恵山岬に到着。

白い灯台は好ましいものの、あいにく強風で落ち着かない。

波も高い。しかし、どこの岬も断崖に打ち寄せる波には郷愁を誘われる。

恵山岬は道路がぐるっとつながっていないので、内陸部をよっこらしょと越えて、
道の駅「なとわ・えさん」へ。ここへは十数年前にも来た覚えがあるが、たぶん建て替えをしているようだ。

高く白い波の向こうに恵山が見える。

近くのコンビニでは、もうかなりたっぷり商品がそろっていた。

久しぶりにコンビニの焼きそばを昼食とする。うれしいなあ。

恵山国道(国道278号線)を西へ走る。

海の向こうには、うっすらと下北半島が見えている。

あっちはもう青森なんだなあ。

右手のほうには、大きくどっしり函館山が見える。

函館は都会すぎてあまり興味がないが、1ヵ所だけ見たいところがあり、

「トラピスチヌ修道院」。聖ミカエル像に迎えられる。

「天使の聖母トラピスチヌ修道院」は、1898年(明治31年)にフランスから派遣された8名の修道女によって創立された。

本館は一部だけ見られるようになっている。

この塀の向こう側で、修道女たちが観想の生活を送っている。

曽野綾子が日本の修道女をあつかった小説を書いていたが、修道女になろうと決心する召命のシーンをわずかに覚えている。
この向こう側では「呼ばれたひとたち」が祈りの生活に法悦を覚えているのだ。その法悦がうらやましい。

聖母マリア像を見たとき、土偶を思い出した。
土偶も信仰に関係あるらしい。きっといっしょなんだと思う。

土偶を見ていて、自分のなかに湧き起こった思いは、「作為を捨てよう」ということ。
うん、なにも考えずに自分がやりたいことだけやろうということ。

修道院で買った「マダレナ」というマドレーヌのようなお菓子。
けれどもよくあるマドレーヌの味とはまったくちがって、昔の甘食からもっと甘みを減らしたような味。パサパサしてはかなげな焼き菓子で、最近多い「しっとり系」とかけ離れておりとても新鮮。なんでも食べてみるものだ。

函館市街を信号につっかえつっかえしながら通り抜け、また大沼方面へ北上する。

途中、七飯町健康センター「アップル温泉」へ寄る。

地元のひとがおおぜい利用している。

おや、函館山はここから見るとかっこよくとがっているよ。

夕日が差し込む休憩所でぼーっとしていたら、とてもしあわせな気分になってきた。
ああ、これが私の法悦なんだねえ。

そろそろコンビニのごはんにも困らなくなってきた。

大沼のちょっと南に位置する道の駅「なないろ・ななえ」で車中泊。

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