北海道放浪77日目|紺碧の日本海と緑なす山々を惜しみつつ、北海道最後の夜は羊蹄山のふもと

6:30起床。車内温度18.5度。クルマの外を見たら、駐車場には私のほかにだれもいなかった。

道の駅「よってけ!島牧」は、いかめしい明朝体がしめすようにかなり古い道の駅だが、いまの時期は閑散としている。

けれども、ひとりきりの朝というのものびのびできて楽しい。自分専用の道の駅みたいで、大っぴらに顔を洗い、拭いたタオルを振り回しながら駐車場をねり歩いてみる。体操してもいいし歌を歌ってもいい。
そういえばクルマもめったに通らないのでものすごく静かな夜だった。

コンビニにどんどん商品がそろってきている。もう朝のパンの心配をしなくてよくなった。

今日も青空がひろがっている。これまた自分専用の道路のように、だれもいない国道229号線をのんびり北上する。

弁慶サンが迎えてくれたのは「弁慶岬」だから。

武蔵坊弁慶が蝦夷に滞在していたとき、ここで挙兵の船を待ち続けていたという伝説にちなんだ岬。

紅白の弁慶岬灯台もあり、

そしてシャコタンブルーを思い出させる紺碧の海!

弁慶岬からは積丹半島も見える。積丹半島に近づくほど海の色が深まるのだろうか。吸い込まれるように青い海だ。

さらに北に進んだところで、今度は浅瀬が見わたせる場所があらわれた。

なまえもわからない灯台が遠くにぽつんと見える。

鏡のようにうつくしい水面。海もさまざまな表情を見せるんだなあ。

弁慶岬からほど近い道の駅「みなとま~れ寿都」は洗練された外観。

でも、年代物の建物も好きだ。たまたま通りがかりにあったレンガ造りの倉庫。

レンガは年数を経るほど味わいが増す。

倉庫のまえの海はやっぱり碧い。左に遠く見えるにはさっきの弁慶岬だ。

さらに北上したさきにある道の駅「シェルプラザ・港」。

コンクリの打ちっぱなしがはやった時期に建てられたんだろう。

で、最近気がついたが、私は建物とかインテリアに興味があるみたいだ。以前からインテリアはそこそこ好きだったけれど、こんなに建物が気になるとは予想外だった。
というわけで「自分探し」は順調に進んでいるようで、とくに「好きなもの」がだんだん増えてきてうれしい。

こんなにいい天気だともう一度ぜひ見ておきたいモノがあるので、道の駅「シェルプラザ・港」で日本海をはなれて内陸に向かう。

道道66号線は山のなかを通ったり牧場を通ったりと、緑一色につつまれる。

ちょうど12時になったとき、たまたまフレンチレストラン「ビストロシェドゥドゥ」に出くわした。

予約がなくても食べられるそうで、あれまあ、まさか山のなかでこんなレストランでランチだなんて。

ふしぎだなあ、なにかのご縁ですな。大きな窓からはこんなにいいながめ。

前菜、かぼちゃとベーコンのキッシュ。
なぜレストランで出る野菜はおいしく食べられるんだろう。それにしてもコレってホントに前菜? りっぱすぎる。

もっちもちのパン。

メイン、秋鮭ソテーとリゾット。
う~ん、藪から棒にフレンチなんぞ食べているが、鮭、皮がパリパリで身はふっくらジューシー、リゾットも濃厚なソースにひたされていて、どれもとびきり美味。
おどろいたことに、このビストロは女性シェフひとりでやっている。すごいなあ。

コーヒーもていねいに淹れてくれた。
いやいや、ボリュームもあるしおいしいし、思いがけずすばらしいランチをいただいた。

ビストロからどんどん下っていって、またニセコにたどりつく。さて、今日の羊蹄山は……
青空をバックに威風堂々、そっくり全部見えている。

もう一度、キミに会いたかったんだ。

そう、とくにそのキリッとしたお鉢が見たくてね。
なぜそんなにもかっこよく両側がクイッと立っているの?
それに、緑の丸いおつむもかわいいね。
ああ、もうそろそろ秋色に衣替えだね。

なのに、今日も暑くてまだ夏雲をプカプカ浮かべているんだ。

ニセコアンヌプリは、スキーのゲレンデがあるからちょっとかわいそうかな。でも三角錐がうつくしいね。

羊蹄山は西側から見ると、左右対称にきれいに見える。ここ「ミルク工房 花の丘」で、ふたたびゆっくりとながめを楽しんだ。
あと、ニセコ周辺で気になるところをまわっておこう。

「地粉パンまる麦工房」で、

試食した食パンがとてもおいしかったので購入。

ここのベーカリーも女性がひとりで切り盛りしていた。職人気質の女性っていいもんだなあ。

そして道の駅「名水の郷きょうごく」。

「羊蹄のふきだし湧水」はたいへん有名で、私も十数年まえに来たことがあるが、

なにせ観光バスが群れをなしてやってくる観光地なので、なかなか足が向かなかった。
今日もおおぜいのひとでにぎわっている。

もう最後なのでペットボトルに汲んでおいた。一年中6.5度の冷たい湧き水だ。

なごりおしくて羊蹄山のまわりをグルグル走り、おしまいは「まっかり温泉」へ行ってみたが、
そこの駐車場からも、夕日を浴びた羊蹄山のすがた。

そして、まっかり温泉の露天風呂からは、ちょうどそのまま羊蹄山が正面に見える。

休憩所は3人ほどしかいなかった。

北海道での日帰り入浴はこれが最後。そうか、羊蹄山が見える露天風呂になるとは思わなかったが、シメにふさわしい温泉だったね。

最後の車中泊地は、道の駅「真狩フラワーセンター」。8月31日にも泊まり、そして地震があった9月6日にも寄った。
「真狩フラワーセンター」の近くにあるセブン-イレブンは、震災直後停電のさなかでも営業してくれていて、おかげでカップ麺やペットボトルをたくさん買うことができた。

そのセブン-イレブンもかなり通常どおりの商品を並べている。なんの心配もなく夕食を選べるということにもちょっと感動。

日が暮れてからも、羊蹄山の大きなシルエットは長いあいだ残っていた。
キミのそばで眠れることに感謝するよ。おやすみ。

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