7:20起床。車内温度17.9度。
昨夜はなかなか寝付けなかった。夜半にクルマの外をのぞいてみたら、遠くのあかりがぼんやりにじんで見えた。どうやら霧が出ているようだ。
ほかの道の駅もそうだが、ここ「真狩フラワーセンター」もいまは節電で駐車場の街灯を消している。
真っ暗なので夜トイレに行くときはライトがないと足元が見えない。先日ホームセンターで買ったLEDライトがさっそく役に立っている。
昨夜も外に出るときLEDライトを付けてみたが、霧で拡散されて光が大きくボワッとひろがりびっくりした。
けれどもとてもきれいなので、そのまま駐車場を一周してみた。最後の夜だからなんでもやろう。真夜中の散歩が無性に楽しかった。
朝になったら、霧はみるみるうちに晴れていった。
道の駅「真狩フラワーセンター」のすぐそばにある真狩高校と羊蹄山。
羊蹄山のふもとに生まれついたひとたちは、朝な夕なこの山を仰いで育つんだなあ。
うれしいことに「ニセコアンヌプリゴンドラ」が今日から運行を再開する。
道道97号線を北に向かうと、羊蹄山にまっしぐら。
ふもとを時計回りにまわって「ニセコアンヌプリゴンドラ」に乗る。
ここのBGMはバリバリ?のクラシック音楽で、バッハとかシューベルトとか。ふしぎなスキー場だ。
シューベルトのピアノ即興曲を聴きながらゴンドラに乗り込む。うわ、やっぱりゴンドラはヤバいほど楽しいぜ!
ゴンドラ、リフト、ロープウェイ、ケーブルカーと、ラクして歩かずに高いトコへ連れて行ってくれる乗り物は大好きだ。
ニセコアンヌプリがどんどん大きく近づいてくる。
下を見おろすと、ほう、こちらも絶景だ。
たった10分で「1,000M台地展望広場」に到着。
展望広場から羊蹄山は、あれれ、逆光なんだなあといまごろ気がつく。
あとで地図を見たら、羊蹄山のほぼ真西にゴンドラがおました。ということは、午後から光が当たるのねと帰る日に気づく。
でも、周囲を大きく見わたせてみごとな展望だ。
田畑と緑のコントラストがうつくしい。左に傾いている山は昆布岳。昆布は曲がっているからどこからでもすぐわかる。
建物があつまっているところはニセコの市街地。ホント、一年中楽しめるリゾート地だよなあ。
ちょっとモヤがかかっているけれども、じゅうぶん楽しめる眺望。
いやいや、北海道最後の日にこうしてすばらしいながめを堪能できてよかった。
帰りのゴンドラからふりかえって見ると、ニセコアンヌプリがずいぶん紅葉していた。
ニセコ連山も見えている。真ん中が9月2日に敗退したチセヌプリだ。
だんだん高度がさがっていくのがもったいない。
ゴンドラを降りたあとは、やっぱり道の駅「ニセコビュープラザ」へ行ってみた。震災の当日、ここの道の駅はすぐに発電機を何台も導入して、トイレを使えるようにしたり街灯を付けてくれたり、ほんとうに助けてもらったなあ。
北海道スナックも食べておこう。
羊蹄山といっしょに食べられるのも今日が最後だね。
道の駅「ニセコビュープラザ」から見た羊蹄山は、右のとがった山頂がよくわかるんだ。
なんだかまたいつか来られるような気がする。だから、そんなに未練なく「ニセコビュープラザ」をあとにした。
今夜7時、苫小牧西港から出るフェリーに乗る予定だ。ニセコからどんどん東に進む。
途中の「フラワーパーキングエリア」からの羊蹄山。
さらに東に進んだところから、羊蹄山は右にうっすら見える。左のそっくりさんは尻別岳。
これが、最後に見た羊蹄山のすがただった。さようなら。またいつか会おうね。
道の駅「フォーレスト276大滝」ではゆっくり休憩。
ここは昔から「きのこ汁」が名物で、さらにパワーアップして大にぎわいだった。
食べたかった「イモモチ」もちゃんとあったし、
「プレミアムきのこ汁」も食べたよ。ふう。
樽前国道(国道276号線)は、周囲が木々におおわれていてとてもきれい。
交通量が多いので気を使うけれども、今日も直線道路を満喫させてもらった。私のうしろに来たクルマは難儀だったと思うけどね。
フェリーも大好きだが、乗り込むまでは緊張する。
出航の120分前までに乗船手続きをしておかないといけない。
手続きには車検証も必要なのに、それを忘れてクルマと窓口を行ったり来たり。
夕方4時半に手続きを終え、5時半から乗船開始、7時に出航。
フェリーのなかは快適で申し分ないけれど、船が動き出したとき、少しばかりさびしかった。
もう日が暮れていたので、港のあかりしか見えなかった。
北海道は、やはり雄大でのびやかで野放図な自然がそこかしこにひろがっていた。
約2ヵ月半、こうして北海道を好き勝手にめぐることができて本当によかった。
そして、北海道にひたっていたからこそ、これからどう生きていけばよいのか、うっすらと道すじが見えてきた。
ありがとう、北海道。