北海道放浪80日目|放浪から戻ったら、予期せぬ違和感におそわれた

太平洋フェリー「いしかり」は10:30に名古屋港に到着する予定。
到着の1時間前までに荷物をまとめて、部屋からずっと海を見ていた。
ああ、なごりおしいなあ。1週間ぐらいこのままここで暮らしたい。

そういうわけにもいかず、10:15にはクルマのあるデッキに降りていって、いつもドキドキするが、今回もなんとか無事にフェリーの外へクルマを出せた。

港の駐車場でしばらく休んで緊張を解く。ふう。
むかしのカーナビは、フェリーで移動したあと、目的地をセットしてもうまくルートを探せなかった。長距離移動したことがわからんらしく、ちょっとのあいだアホになって「ココはドコ?」とうろたえているのがおもしろかった。

しかし、いまのナビは進化をとげていて、なんの迷いもなく瞬時に自宅までの道のりを出してしまった。なんだ、つまらない。
でも、私はナビがあるからこそ運転できるんだよね。なかったらどこへも行けないほど頼り切っている。

北海道の高速道路はほとんど走らなかった。対面通行が多くて怖かったからだ。
けれども本州の大都市近辺は片側2~3車線あるので、マイペースで走ることにした。せいぜい70km/hぐらいしか出せないが、なんかもう気にしないでちんたら走る。

サービスエリアやパーキングエリアが出てくるたびにゆっくり休憩もする。
べつにクルマの運転に限らないが、とめどなくゆるゆるだらだらしっぱなし。

それでも夕方には高速から降りることができた。ふう。
そして一般道を走りはじめたのだが、そこでエラくショックを受けた。
なぜかというと、あまりにも周囲の景観がみすぼらしくて愕然としたのだ。

そりゃ北海道じゃないから当ったり前のハナシなんだけど、自分が住んでいる地方がこんなにショボいとは思わなかった。
いやいや、ウチのあたりもいいところはあるはずなのだが、なにせこれまで毎日とびきり雄大な景色ばかり見ていたので、すっかりゼイタクになってしまった。

北海道というのは、地平線まで道路が一直線とか、見わたす限り牧場がひろがっているとか、どデカい羊蹄山のまわりをグルグルとか、どこもケタはずれにスケールが大きい。
まあ比べてもしょうがないけれど、あらためて北海道のすばらしさを思い知った。

がっかりしながらも、自宅には夕方6時すぎに到着。
郵便受けにたっぷりチラシが入っているが、はは、カギの番号を思い出せなくて開けられないよ。

どうせたいしたものは来ていないから郵便は放っておいて、まずは自分の部屋へ行く。
ウチの鍵は財布に入れておいたので大丈夫、ちゃんと開けられたが、ドアを開けるとぷうんと避難小屋みたいな臭いがした。
山にある無人の避難小屋ね。アレとおんなじようなカビ臭くてコナッぽいにおいがした。

で、部屋のなかに入ったら、またまた大きな衝撃を受けた。
部屋ぜんぶに「見おぼえがない」のだ。え? コレ、ホントに私のウチだっけ?

机とパソコンはかろうじて「見たことがある」ような気がしたが、流しのあたりは「はじめて見た」ような感覚だ。
流しの照明のスイッチの場所も忘れているし、コップをどこにしまってあるのかもわからない。
はあ、こんなにも記憶力がおとろえているとはね。軽く感動してしまったよ。

しかし、うれしいこともあった。
以前よりもずいぶんと部屋が広く見えたのだ。5畳ちょっとのワンルームなのだが、あれ? すごく広く感じるよ。
これはおそらく、狭い車上生活をつづけていたからで、そりゃま軽自動車のクソ狭い空間とくらべたら広々しているわな。

というわけで、北海道とくらべるとウチの田舎はせせこましくなっちまったが、車上生活のおかげで5畳ワンルームがまるで大広間のように思えて、たった2ヵ月半でも経験によって感覚というものはこんなに変わるんだねえ。

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