「スイッチ」の入り方もヒトそれぞれ、それが個性なんだね

昨日の夕方、不動産屋へ行って、新居の鍵を受け取った。

「新居」っていうと、いかにも新しそうだけど、いやあ築39年の古めかしい4階建てマンションだ。
いま住んでるマンションが築29年だから、さらに10年古いところになる。

って、オマエが57年間使い古してるんだから、どこ行ったって文句言えねーだろっ?

もらった鍵は、まあなんとなく薄っぺらでヘナヘナした感じ。当時はこれが当たり前だったんだな。
とりあえず好奇心もあって、新居のマンションへ向かった。

もうじき住むところになるはずなのに、建物のなかに入ると、不法侵入してる気分満載でむっちゃ緊張する。
汗びっしょりで、ペラペラの鍵で部屋の扉を開けて、恐る恐る中に入る。

ふう、いまのところよりは広くなる。
しばらく部屋の真ん中に突っ立ってたけど、周囲はものすごく静かだ。そばの道路を通るクルマの音以外なにも聞こえない。

え? ホントのホントにここでグランドピアノなんか弾いていいんだろうか?
それだけがものすごく心配になる。

いやいや、すでにグランド入れてる入居者がいるって、管理会社にも聞いたし、たぶんだいじょうぶなんだろう。
音を出す時間帯は「常識の範囲内で」とのことだった。
非常識のカタマリのワシは、また悩むけど、まあとにかく引っ越し準備が先だ。

ふと気がついたけど、あれ?「防虫施工」ってホントにやってあるのかな?
賃貸借りるとき、だいたいセットで防虫施工をやらんといかんでしょ?
ぜったいやってねって不動産屋さんに言われるヤツ。今回なんて、礼金より高かったぜ。

今朝になってまた思い出したので、不動産屋のSさんにラインしておいた。
昼休みにその返事を見たら「手違いでやっていません。立ち合いの日を決めてください」とのこと。

そりゃオカしいっ! ふつうは入居前に施工が終わってるはずっ!
それなのに、なんでワシが立ち会う日を作らんとあかんのっ?!
てか、引っ越しは7月6日なんだけど、それまでぜんぶ予定が埋まってる。

仕事が終わってから、Sさんに電話していろいろ相談したけど、結局ワシが今日のうちに不動産屋へ鍵を持って行くことになった。
防虫業者があさってしか施工できないらしい。明日はピアノのレッスンがある。なので、はあ、また不動産屋へクルマで行った。

お店のなかに入ると、Sさんはごくふつうに鍵を受け取った。
「すみませんでした」と謝ってくれたけど、でも、まあべつにふつうである。

あれ? ヘンだな? なんかスイッチ入ってへんみたい。
だって、往復で1時間以上費やしてしまって、その分ピアノの練習が確実に減るから。

うん、練習減ってヘタクソになるっちゅー事実に対して、もっと誠意を込めてあやまってほしい!
って思ったけど、Sさんのごくふつうの表情を見ていたら、ああそうか、ま、Sさんにしたら大したことないんやなって気がついた。
たぶん、Sさんは「クルマでちょっと持ってくるだけ」って思ってるんだろ。

そういえば、会社の電話でも、スイッチが入らないお客さんがたまにいてはる。
電話番の仕事してると、ホントヒトそれぞれで、なかには、どうしても会話が少しズレたりカミ合わないヒトもいるんだよね。

で、心理学セミナーでしゅっちゅう言われているとおり、「『自分の常識』と『他人の常識』はちがうのが当たり前」。
だから、さっき「電話で会話がズレる」って書いたけど、それだってたまたま「ワシの基準」とちがうだけのハナシだよね。

Sさんは今回のことでも、とくに気にしていないようだったので、じゃあ、それがSさんの基準なんだなあと納得した。
なので、気もちよくあいさつしてお店をあとにした。

だけど、以前のワシだったら、もっとネチネチ嫌味をカマしてたと思う。
で、たぶん「Sさんはもっと謝るべきだ」と強く思っただろうな。

でも、さすがに長年心理学を勉強していると、そりゃあSさんの自由じゃんと思えた。
「どんなふうにあやまるか」はSさんが自由に決めること。

私は、Sさんの言動をコントロールできない。
私がコントロールできるのは、自分の考えかただけ。

ま、そーゆーことはセミナーで何十回も聞いていて、ふう、やっと肚落ちしたかねえ。
ピアノで、ぜんぜん弾けなかったトリルが、やっと1回成功したみたいな気分になったよ。

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