来月のシフト表をもらった。面接のときに、ワシの希望として「火曜日はピアノのレッスンがあるので休ませてください」と頼んでおいたので、ちゃんとぜんぶ休みにしてくれていた。ただ、12月23日(月)だけは用事があって、あらかじめその日も休みにして欲しいと伝えていた。
でもシフト表を見たら、その23日も出勤することになっていた。
それ見てとっさに思ったのは「あーあ、メモに書いて渡しておいたのになあ」ってことだった。そうなんだよねえ。ワシってごくふつうに当たり前のように「相手が悪い」と思うんっス。
あ、でも「そう思う」こと自体はべつにかまへんねん。むしろ、うんうん、あんたはそう思うんやなって「自分の言い分」を聞いてあげたほうがええねん。で、べつに「ナニ思っても自由」ですやん? てか、「自分がナニ思っても自由やん」ってじゅうぶん感じていないと、「相手に自由を認めない」んだよね。
「ワシ、こんなにガマンしとんのに、ワレ、ナニ勝手さらしとんじゃっ?!」ってハラ立つことになるもんね。
で、店長さんに「23日は休みって希望しとったんですが」と言うかどうか迷った。ただ、その日の用事はパートのあとで済ますことも可能だった。でもさ、月曜日夜遅くまで一日ツブれると、翌日火曜日のレッスンに支障をきたす。前日にほとんど練習できへんのがイタい。
しかし、シフトを組むタイヘンさはよくわかる。もともと日曜日が休みのパートなのに「平日火曜日ぜったい休ませてくれ」っちゅー時点で、お店としてはホントは困っている。だって火曜、人数ひとり足りへんのがシフト表見てすぐわかった。
なので、よし、いまはなにも言わんとこうと決心した。せっかく組んでくれたシフトだからそのまま受け入れよう。
昼すぎに店長さんが「春子さん、シフトはそのぐらいでいいですか? 日にちや時間はだいじょうぶですか?」と訊いてくれた。ワシは「はい、おかげさまでちょうどいいです。ありがとうございます」と答えた。まあ、そこであえて「火曜日休みですみません」とは謝らなかった。
それだけは「どうしてもゆずれないコト」だから、堂々とそうさせてもらうことにした。
来年3月からは、カウンセラー養成講座へ通う予定である。そうすると、月に1回土曜日も休ませてもらわないといけない。さきざきを考えると、少なくとも2月いっぱいまではできる限りお店にシフトをまかせておくべきだよね。
仕事のほうは、ほんの少しずつ慣れてきた。どういうわけか、こないだクビになった会社と似ている内容が多いので助かってる。そのうえ、ワシにはありがたいことに、ものすごく急かされる仕事じゃない。どちらかというとマイペースでできる部分もあってホッとしている。
必要とされるのは、スピードではなく、お客さんをこまやかに観察する力だな。お客さんの要望をくみとって適切な商品を勧めて、リピーターになってもらうことだね。そこらへんはまだぜんぜん余裕がなくてできてへんねん。
夕方5時になったら店長さんが「春子さんはもうあがってください」と声をかけてくれた。ワシはやりかけの作業があったけど、「はい、わかりました」とすぐに手を止めて、残りは先輩パートさんに「お願いしてもよろしいですか?」と頼んだ。先輩さんはもちろん引き受けてくれた。
こういうのもね、以前だったらすなおに「ハイ」って言えなかったんだ。たぶん反射的に「あ、あと少しでできるからやらしてください」って言ってたなあ。それが「自分のやりかた」だった。で、相手の気もちをまったく考えてなかったんだよね。
いまはちがうなあ。まず「そのヒトが言ってくれるとおりにしよう」と心掛けている。それが「相手を信頼すること」だと思ってる。
けれども、こんなふうに考えるようになったのは、まえの会社がクビにしてくれたからなんだよなあ。ワシ、干されながらいろいろ考えたもんね。ホンマ勉強になったわ。