煮えたぎるほど熱い女子忘年会

本日は仕事納め。先輩パートさんが忘年会に誘ってくれた。先輩といっても二十代と三十代の女性。ふたりともすっごく美人。しかも仕事がデキるひとたち。ワシみたいなババアをちゃんと誘ってくれて、いやうれしかった。

しかし! ふたりのハナシを聞いて仰天した。なんちゅーか、めちゃくそ熱いねんっ! ナニに熱いか?っつーと「好きなヒト、モノ」がぎょーさんあって熱すぎるっ!

二十代のコが「追っかけ」やってるのは知っていた。某タレントの追っかけをしてる。その追っかけちゃんの生活を聞いてあぜんとした。毎月1~2回は東京に行くらしい。で、握手会とかナントカ会に出るためにCDやDVDを何十枚も買うそうだ。ハズれたCDとか何百枚もウチにあるそうで、職場のみんなにタダで配ってる。

追っかけちゃん「某クンのライブ行ったら、まず〇〇〇を見るっ! そのために前の席取るねんっ!」
「え? 顔見いひんの?」
「顔はDVDで見れるからええねん。ナマで見れんのは〇〇〇やからまず〇〇〇を見るっ!」
そういう「部位」を凝視するって叫ぶ女のコにははじめて会ったが、考えて見ればたいそう本能に忠実な見かただ。
「〇〇〇のつぎは△△△゛を見るっ!」
「ああ、透けて見えるな」
「そうやっ! ソレを見るねん! △△△゛のつぎは××を見るっ!」
ワシ「〇〇〇→△△△゛→××の順番やね」
追っかけちゃん「あってるっ!」
なるほど、いつか実践してみよう。けれども、オトコのピアニストはだいたい透けるような服着てへんけどな。



そしたら、三十代のコが「あたし、〇〇〇〇〇のファンやねん」という。
はああ? ダレそれっ?!
よく聞いてみると、かなりマイナーな世界のスターらしい。マイナーワールドだと、ファンでもかなり接近できるという。

マイナーちゃん「うん、一回ハグしてもらってん」
ワシと追っかけちゃん「うわあっ!!!」
「でも胸毛がスゴくて、ぶわってクッションみたいやった」
追っかけちゃん「あたし、胸毛あかん。ダメ、某クンつるつるやもん」
ワシ「胸毛ええなあ」
マイナーちゃん「胸毛すごいオトコってどこまでつながってるねんって感じやろ? 手ェとかももじゃもじゃで」
ワシ「そうやわっ!」となぜかココで大きくうなづく。

マイナーちゃん「メールもしてるよ。ダンナもファンやから公認でやってる。でも、一回週刊誌から電話かかってきたわ」
「えっ!」
「週刊誌すごいわ。ふつうで有名やないのに、そんでも嗅ぎつけて電話かけてくるねん。コワいからガチャ切りしたった」
なんかすっごいハナシばっかりやな。

それにしても、ふたりとも好きなヒトのハナシが止まらない。その様子がものすごくおもしろい! へええ、熱狂的なファンってこんなんやねんなあ。ワシの百倍ぐらいの熱量や。マイナーちゃんは、ハマッてる趣味もあって、そのハナシもこれまたおもしろすぎっ!

カウンセラーN先生がつねづね「好きなモノのパワーってものすごいんですよ」と言われているけど、ホンマ、その生き証人みたいなふたりやねん。ハナシ聞いてるだけでこっちもバンバンアオられてむっちゃ楽しくなる!



そしたら、マイナーちゃんが「春子さん、ピアノやってるんでしょ? なんかすごく練習してそう。何年やってるの?」と訊いてくれた。
「え? いやそんなにしてないしてない。今年の4月から再開したばっかりだし」
「そう? でも再開してエラいなあ。あたしもコドモのときやってたけどぜんぜんやりたないわ」

えーっ?「すごく練習してそう」に見えるんかのう?
いやぜんぜん。う~ん、「すごく」ってのは一日4時間ぐらいかね。いまはせいぜい2時間しか弾けてない。あー、でも毎日2時間やれるモノって、まあいちおう「好きなモノ」にちがいないか。

追っかけちゃんはスマホで某クンの画像出してきゃーきゃー、マイナーちゃんもそのマイナースターの画像見せてくれてひゃーひゃー言ってる。
ワシがピアニストB氏を見せたら、このふたりやったら「どれどれっ?」ってよろこんで見てくれそうやったけど、さすがにやめとく。なにせB氏はもうじき89才になるんだよなあ。

でも、みんなでハナシしてたら楽しくてたまらなかった。大金持ちのハナシとか、彼氏のこととか、ダンナさんのこととか。みんなでなぜか「すごいこと、おもしろいこと、楽しいこと」ばっかり話してて、ああそう、グチとかウワサ話とかケチ臭い話とかぜんぜんなかったなあ。

このコたちといてたら、「ライフワークを生きる」って、なーんだ、こういうことなんや!って腑に落ちた。
心理学勉強するのもええけど、追っかけやってるヒトから教えてもらえることもぎょーさんおます。

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