マシュー・ボーンの「白鳥の湖」|白鳥は全員男性、猛々しくうつくしい

ずっと以前に「白鳥が男性ダンサー」というのがあると、どこかで目にした覚えがあったが、今日たまたまYouTubeで見つけた。

▼マシュー・ボーンの「白鳥の湖」|Matthew Bourne΄s Swan Lake, 2012 – P. I. Tchaikovsky – Richard Winsor, Dominic North

いやー、ものすごい迫力だし、わかりやすいしおもしろいし、何回でも見たくなってしまう。
とくに気に入ったのが「4羽の白鳥たちの踊り」(57:41ぐらいから)で、なんという奇抜で斬新な振付なんだっ!

で、ざっくり言うと「王子は『男性の白鳥』と恋に落ちる」というストーリーなのだ。



ふつうバレエの「白鳥の湖」は、ジークフリート王子がオデット姫(白鳥に変えられている)に恋をして、でも悪魔の娘オディール(黒鳥)を花嫁に選んでしまってどーのこーのという筋書きになっているが、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」では、王子は「ザ・スワン」という雄白鳥に惹かれる。

それまでのいきさつも、公務にうんざりしているとか母である女王との確執とか、現代風なアレンジがおもしろい。古典の「白鳥の湖」で白鳥/黒鳥は一人二役で同じバレリーナが踊るが、その設定も翻案してあって、ちゃんと黒鳥も一人二役で登場する。しかももっとスリリング。そして、最後は泣けるなあ。

演出家マシュー・ボーンによるこの「白鳥の湖」は、1995年初演でイギリスのコンテンポラリー・ダンスだという。いやいや、男性白鳥の群舞は猛々しくて、けれどもすごくうつくしい。そして野性味があふれている。



あと、すっごく「鳥」っぽい。鳥ってけっこう攻撃的でしょ? インコとかでもすぐ噛みつくでしょ? ああいう鳥の荒っぽいしぐさとかも振付に仕込んであって、鳥好きのヒトにウケそう。

従来の「白鳥の湖」とはまったくちがって、それはもう新鮮でおもしろくてたまらないのだが、でも音楽はぜんぜん変わらない。ずっと聞きなれたチャイコフスキーの「白鳥の湖」だ。あらためて思ったけど、チャイコフスキーの白鳥の湖って、ホント大舞台で踊るのにこのうえなくぴったりですごくわかりやすい音楽だねえ。

で、マシュー・ボーンの振付は、クラシックバレエよりも、もっと音楽に寸分なくハマッていてそれに感心した。このごろ、ダンスとかオペラを見ていると、なるほど、このメロディーはそういう振付やしぐさになるんだなあってマジマジ眺めてしまう。「音」をどんなふうに「動作や表情に変換しているか」に興味津々。

とりあえず、うん、四拍子は「4羽の白鳥たちの踊り」↑をよーくイメージして弾いてみることにしよう。

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