生まれてくる惑星をまちがえるとどうなるか?

先週金曜日は、妹の認知症についての診断結果を訊きに病院へ行った。その帰りのとちゅうで、私は新幹線の安売りきっぷを買うために、新大阪駅近くの金券ショップに寄り道した。店の前に路上駐車して私がひとりで店に入る。

妹が「自由席でじゅうぶん」と主張するので、はじめて自由席きっぷを買い求めた。しかし、安売り自由席きっぷの使いかたを聞いて大混乱した。その金券ショップであつかっているきっぷは、自由席であっても乗車前にみどりの窓口に行って「変更手続き」が必要だという。

どうしても必要な変更のひとつは「乗車日の変更」らしい。さらに「東京→新大阪」として使用する場合は「乗車駅・降車駅の変更」も必要だと説明を受けた。

とまあ、ここにかんたんに書いてみたが、私はこれだけのことを理解するのに3回は訊きなおさないとまったくわからなかった。そもそも私は「ヒトの話」をリアルタイムで聞き取れない。だからテレビも映画も見ることができない。


私は、ショップのねーちゃんに思わず「紙に書いてくれっ!」と叫びたくなった。いやべつに金券ショップにかぎらず、わぁーっとしゃべって説明するヒトを目の前にすると、なにひとつアタマに入らなくて、あんた、頼むから紙に書いてくれやとつねに思う。

そういえば以前、電話番のパートをしていたことがある。ハローワークの求人票には「コールセンター」で募集されていたが、パート先に行ってみたら、ぷぷ、こりゃセンターなんて言えんよな、パートのおばちゃんふたりが部屋の隅っこで電話の受け答えをしていた。

社員のヒトたちが電話を取るのがタイヘンなもんだから、パート雇って電話番をさせてるだけだった。パートのおばちゃんは60代がほとんどで、けれどもみんなテキパキと仕事していた。

さて、私は期待を裏切らず、電話番もまったくダメだった。さすがにあの仕事はいっちゃんキツかった。テレビの音声についていけないニンゲンがやる仕事じゃなかったね。

そのパートに行ってるとき、ものすごくふしぎに思ったことがあった。まあ、電話をかけてくるヒトたちは皆が皆、私にはとうてい聞き取れない早口でまくしたてるのだが、私が住所と名まえを尋ねると、だだだーっと一気にしゃべるヒトがとても多かった。


「○○市○○町○丁目○の○○○ナントカカントカっ!」と3秒ぐらいで言い切る。最初のうちは、こりゃなんだべ?イヤがらせしとるんかね?わざと聞き取れないようイケズしよるんか?と疑った。

しかし先輩パートさんたちは、そういう早さでも一発で聞き取ってメモとっていた。なるほど、ふつうのヒトたちはそのスピードでもまるっと頭に入って聞き取れているんだね。けれども私には不可能だ。

そこで私はひと工夫した。「おところとおなまえを教えてください」などと尋ねると、どわーっとまくしたてられてしまう。そうではなくてまず「何市にお住まいですか?」と質問すると、みなさんたいそうすなおに「○○市」とだけ答えてくれる。よしよし。

なので、さいしょに市名を聞き取り、ついで「何町にお住まいですか?」と尋ねる。つぎ「番地を教えてください」「名字を教えてください」「下のおなまえを教えてください」とこんな具合でやったみたら、私にもかろうじて聞き取ることができた。

しかしこの各駅停車式の質問方法は、そのうち先輩パートさんにバレて叱られて使えなくなってしまった。それ以前に怒り出すお客さんもおったわな。


話は金券ショップに戻る。新幹線の安売りきっぷを買っただけで、私は疲れ果ててしまった。フラフラになってクルマにたどりつき、「ダメだ、あまりに複雑すぎて絶望的だ。ちょっと話をする気力もないからしばらく休ませてね」と妹に頼んだ。

そんな私の奇態を眺めていた妹がこう言った。「おねえ、ADHD(注意欠陥多動性障害)じゃないの? あれ大人になってから発症するヒトもいるからね。どうもADHDっぽいなあ」

私はADHDってすごくセカセカしたヒトのことじゃないかと思っていたから、自分がそうだとは一度も考えたことがなかった。

だが調べてみると、

大人のADHDは典型的には注意散漫であること、作業をやり遂げるのが困難であること、ぐずぐずすることそして整理整頓ができないという問題によって特徴づけられる。――ウィキペディア

といった記述は、ちょうど私に当てはまる。しかしながら自分には「落ち着きのなさ」がぜんぜん見られない。どういうわけかのんびり落ち着いているのがデフォルトだ。けれど、もしかすると「ゆったりどっしりしたADHD」ってのもあるかもしれない。


せっかく妹がADHDではないか?と指摘してくれたので、だったらまた精神科を受診したほうがいいのかなあと思ったけれども、ええとなんだっけ? 去年物忘れ外来を受診したときに精神科のお医者さんは私のことを「発達障害ではありません」とも言っていた。ADHDは発達障害のひとつらしい。でも私は発達障害ではないからADHDでもないらしい。

べつにナントカ障害だと名まえがつくつかないはともかく、変人であることはまちがいない。珍妙な会話のしかたであったり物忘れがヒドすぎたりで、どこのパートに行っても周りのヒトたちが迷惑しているのは事実だ。

ナントカ障害を3つもかかえているのは妹だ。なんだっけ? 双極性障害と解離性障害と発達障害だったかな。もともと長年精神科にはかかっているらしいので、もうそっちにおまかせだ。男に貢ぎ倒すのもナントカ障害の症状なのかねえ。ソレもついでに治療して。

でも、妹も私もたぶん脳ミソの造りがふつうのヒトとはだいぶんちがうんだと思う。なんかヘン。きっと宇宙人なんだ。生まれてくる星をまちがえたんだ。

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