「バイオリンの伴奏をしてみませんか?」という信じられないようなお話をいただいたのが、ええと7月31日だった。青天の霹靂。
某所からいただいたお話で、内々のメンバーの前で一曲だけ演奏するという。バイオリンを弾くヒトはもうすでに演奏活動をされているかただ。えーっ?! しかしドあつかましい私は、ただただやってみたい一心でなにも考えずに「ぜひやらせてください」と即答してしまった。あほ。
その後バイオリン奏者のYさんと打ち合わせをして、曲目を決めたのが8月4日。すぐに無料楽譜をダウンロードしたというのに、なぜ今日が8月9日なんだろう?
うむ、この5日間の記憶がない。けれども、記憶喪失に備えてこのクソブログをやってるんだった。ブログを見返したら、ああさよか、ピアノのレッスンのあと、支店の仕事がデキなくて大騒ぎしとったわけね。
さらに、レッスンの課題として新曲が4つもあってね。ツェルニー40番の2番、バッハ:フランス組曲第5番クーラント、ハイドンニ長調ソナタ(Hob.XVI:37 op.30-3)の第2楽章と第3楽章。すでにこれだけでもぱっつんぱっつん。なに?この生き地獄は?
で、昨日は妹と3時間ズームやってて、そいで今日までなにひとつできなかった。
あらためて伴奏の楽譜をながめてみる。む、むずかしいやんっ! てか、そもそも生まれてからただの一度も伴奏なんてやったことおまへん。とりあえず指使いを考える。もー、指使いってなんでこんなにめんどくさいんだろ? それでなくてもレッスン新曲3曲分の指使い、やっと見直したばかりなのにさあ。
私は指が小さすぎるので楽譜に書かれている番号ではダメで、自分が弾けるようにかなり書き直さないといけない。しかも無料楽譜はもともと指番号が書かれていなかった。まっさらなとこから自分でぜんぶ指使いを考えるのははじめてだ。超めんどくせーっ!
ええと、曲名は伏せておこう。とても有名な曲だ。だれもが知ってる。もともとはオーケストラで演奏される。ニ長調。ピアノ伴奏の楽譜を見たら、ほとんどがアルペジオである。ひゃあ。でもまあテンポはゆったりとしている。
ハノンでアルペジオを習いはじめたのが今年の3月だ。5ヵ月たったからなんとかなるかと思ったが、複雑な伴奏となると指使いめっちゃたいへんっスね。
指使いをうんうん考えていたら、ちょうどYさんからメッセージが届いた。私が「いま指使い考えているところでした」と返したら、Yさん「あ、私もです。指使いと弓使いを変えたのでそれを練習中です」という。
そっかー、バイオリンの場合弓使いまで考えないといけないんだねと感心した。私は以前、バイオリンをほんの数ヵ月だけやったことがある。けれどもじきに左手首が猛烈に痛くなってすぐにやめてしまった。
ただし、まったくバイオリンをやらないよりはやっといてよかった。少なくともどんなふうにして音が出るかとか弓の都合とか、うっすらわかるような気がする。でもまあ、ほんのうっすら。ないよりマシなていど。
Yさんには「気合い入れて今日中に指使いは決めます」と宣言した。そう言っちゃったからにはほんまにやらんといかんので、クソがんばって最後まで指使い書いたぜ。
だいたい私楽譜が読めないんだよね。とくにヘ音記号全滅だね。じゃあふだんレッスンの曲はどうしているのか?というと、なんだろね、「こんな模様はこんな感じ」みたいにテキトーに雰囲気で弾いてるよな。音符が1個だけポツンと書かれていたら、ぜったい何の音かわからん。
だから、あらかじめ曲を聞いておかないと弾けない。つまり聞いたことがない曲は楽譜を見ても弾けない。なのでYouTubeで曲を繰り返し聴きつつ、指使いをなんとかしたのだ。ふう。
ようやくここまでたどり着いたので、とりあえずよたよた通して最後まで弾いてみた。ヘタクソだけどええ曲やなあ。これで、Yさんがバイオリンでメロディーを奏でるのを想像してみたら、涙が出てきた。
鼻水垂らしていたら、またYさんからメッセージが入った。私「いま泣いてました」と書いたら、Yさんもこの曲を演奏するとよく泣けてしまうらしい。
二人で泣きましょうか、と言い合った。
しかしYさんはすでにバイオリニストなのだから、ドしろうとの私が伴奏するなんてエラいことだなあ。そんなことが、この私の身の上に降ってくるとはね。なんだか信じられないなあ。
本番は9月上旬だ。Yさんとは遠方なので、いっしょに練習できるのは一回だけになりそうだ。困った。でもうれしいし、やりたい。だからとにかく練習しよう。
なんでこんなしあわせが降って湧いてくるのか、首をかしげながらとにかく練習してみよう。