ついに「仕事の正体」があらわれた|「仕事さん」との対話 その3

それまで長い時間、「仕事のイス」にはなにひとつさっぱり見えなかったというのに、やにわにパパッとあらわれたのが3人の先生で、ほんとにねえ、よくこんなにすごいひとばっかり出てきたもんだよね。カウンセラーふたりとピアノの先生だよ。

結局私の潜在意識では、そういうプロフェッショナルな仕事を「仕事」と認識しているらしい。で、思い出したけど、去年物忘れ外来を受診したとき、精神科のお医者さんが「専門職についてください。資格を取るとか研究とかが向いています」とたいそう強く勧めていた。

私はそれ聞いて、「もう57のおばはんになにゆうてまんねん」とあきれていた。いまごろからいったいなにやりまんねん? もっとも、ピアノをきちんと習って、そいで某芸術大学に進学するつもりだから、そりゃもうお医者さんのご神託どおりの青写真を描いてはいるものの、先立つモンはまずゼニやろっ?!

当面生活費にも困るというのに、去年はパートをクビになるし、コンビニの面接も軒並み落ちるし、ようやく近所の商店に雇ってもらっても大チョンボばかりで迷惑かけどおしだ。専門なんとかどころかふつうの最低賃金パートも務まらない。


まあ、でももう一回精神科に行ったらきっと「だから専門にしなはれ」って言われるんだろね。いや、あのお医者さんは私の潜在意識をちゃんと察知しているか。私に専門なんちゃらができるできないはともかく、潜在意識は「『仕事』とは、なにかその道を究めるもの」ってとらえている。

やっぱ専門じゃ~んっ! 精神科のおっさん、あんたすごいわっ! 合うとるやんけっ! 当たりやんっ!

んでも、なんぼがんばったからちゅーてもピアノが飯のタネになるわけじゃないし、カウンセラーもやる気ゼロだし、私はこれからどないしたらええねん?

エンプティチェアの練習セッションはそのままつづいており、私は「私のイス」と「仕事さんのイス」に交互に何度か座ってボソボソ話し合っていた。そのとき「仕事さん」は、私がよく知っている先生がたに見えたので、もう「仕事さん」のほうを見て話すことができた。


しかしまだ、罪悪感は残っていた。大塚あやこさんに対しては「ビリーフリセット・リーダーズ講座」でぜんぜんまじめに勉強していないことが申し訳なかった。

根本裕幸さんは、ずーっと音信不通にしてしまっている。ほんとはメールで少しでも現状報告しないといけないのにねえ。きっと心配してくださっているだろうに。ま、気が重い。

ピアノの先生にはいつもおんなじ指導ばかりされてるし、ツェルニーとソナタを毎回うっすーい練習しかやらないからちっとも弾けない。練習時間もその気になればもっと増やせるはずなのにできない。

なんか自己否定てんこ盛りになっとるがな。で、「仕事さんのイス」に腰かけてみたら、ええと、仕事さんはだね、「あなたはやってできなくはないけど、身の丈を超えた目標をめざすからつぶれる」ですと。へええ。

ふと思い出したのは、ピアノの先生のことばで、「もう少し音量を出せたり速く弾けたらいいのですが、それも手のことがありますからね。あせらずじっくりでいいですよ」とよく言われる。だのに、ウチで練習しているとき、ついうっかり休憩入れずにしつこく練習してしまったりする。痛くなるのにね。


さて、その時点で「仕事の正体」がもうよく見えて腑に落ちていたので、そのまま終結させてもよさそうだったが、なぜか私は「第3の席」を設けたくなった。「第3の席」とは「シャーマンズ・シート」ともいい、人間を越えた大きな存在の席である。神様とか宇宙とか、そのひとにぴったりくることばでやる。

Aさんにその旨をお願いして、私は「第3の席」に「大いなるもの」を据えることにした。第3の席は、すでに置いてあるふたつのイスのやや中央に位置し、そこに立ってふたつのイスを見下ろしながら感じてみる。

私はあらたな気もちで「『大いなるもの』です」と宣言して、ふたつのイスを俯瞰できる位置に立ってみた。

さいしょはなにも見えなかった。イスは両方とも空っぽだった。「ふうん、なんにも見えないですね」と私はAさんに伝えた。「そうなんですね」「そうです。う~ん、見えないなあ、先生たちも私も見えなくなったなあ」


すると突然、「仕事さんのイス」に異変が起こった。そのイスのうえに「燃えさかる太陽」があらわれたのだ! ほんとうに「火の玉」だった。

私はAさんに「うわっ! 『仕事』が『太陽』になってますっ!」と大声で伝えて騒ぎ立てた。私「ほんとに燃えていますっ! イスが丸焼けになりそうですっ!」 Aさん「そうなんですね」と傾聴してくれるが、私は興奮状態でしゃべりまくる。

「ああっ! わかった! 『仕事』は『太陽』なんですよっ! まさにそれでいいんです! そう、あやさんも根本さんもピアノの先生も、みんな太陽から無尽蔵のエネルギーを送られているからあんなふうに仕事ができるんですよっ! そうだそうだ、それでまちがいない!」

それが、真理だった。あのひとたちは「太陽につながっているひとたち」だったのだ。

そして「私のイス」はといえば、かなり離れたところにあるので太陽で焦げる心配もなく、むしろあったかで心地よさそうだった。そうだよなあ、私、ひなたぼっこが大好きなんだよね。


なのでAさんに向かって、「『仕事』が『太陽』だとわかったので、もういいです。こうやってひなたぼっこしてたらいいとわかりました」と言った。

あれっ? なんかよく似たオチがあったよな。そうそう、こないだ講座でやったエンプティチェアでは「やる気の出ない私」は「猫」になっちまって、「猫じゃカウンセラーになれないから、もういいです」って言ったよね? →「やる気のない私」はとうとう「猫」になりました|ビリーフリセット・リーダーズ講座 第6講 2日目 その1

こんどは「太陽」とは!

けれども「仕事のエネルギー供給源が、太陽」ということならば、そうか、それなら「太陽につながれる仕事」をやればうまくいくんだな、たぶん。

それにしても、どういうわけか奇抜でシュールで問答無用のオチばっかりだねえ。

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