◆「その1」はこちら→●女性は「猫」でいいんです|大塚あやこさんの個人コンサルティング その1
もともと私は、根本裕幸さんのセミナーに通っていた時期が長かった。以前根本さんの活動拠点は関西だったしね。で、その数年前からずーっと根本さんとこで、「仕事がー、うまくいかねー、ほんとは働きたくねー」ってウダウダ抜かしていて、しょうがないから根本さんの「仕事」「ライフワーク」関連のセミナーはぜんぶ受講していた。
まあ根本さんは、私がナマケモノだと一発で見抜いていて、とある仕事セミナーの最中、私のほうをじっと見ながら、「ナマケモノのひとはね、いかにラクして稼ぐか、それを命がけで考えてください」などと言われる。
それ聞いたとき、いやいや私はナマケモノだから、そげな「命がけ」なんてできないわけで、もー無理難題ふっかけんといてーと思ってた。ナマケモノは「考える」ことすらめんどうでやりたくないのだ。
んなもん、「ラクして稼ぐ方法」をせっせと調べて、かつさっさと試していくなんて芸当ができないからこそ、ナマケモノなのである。
ええと、私の顔をまじまじ眺めながらそんなアドバイスをのたまう根本さんを、私はいまだにウラんでいたよ。ナマケモノと言われたことはべつにその通りだが、そのナマケモノにめちゃくそむずかしい課題を出すことをウラんでいたのだ。
なので、大塚あやこさんのコンサルのとき、「まえに根本さんにこう言われたんですよ。『いかにラクして稼ぐか、それを命がけで考えてください』って」と、積年のグチをこぼしてしまった。ちなみに、あやさん(大塚あやこさん)は根本さんともコラボセミナーを何度も開催されている。
そしたらあやさんは「はい、そのとおりですね」と即座にうなづかれた。えーっ?!
あやさん「ラクにというのは『自然体』ということね。春子ちゃんが自然にラクにできることね。つまり『好きなことを、いかに楽に自然体でやって稼ぐか?』
これがね、春子ちゃんのミッションなんですよ」
う わ わ わ ……
どの先生もみんなおんなじこと言わはるわ。
でも、たしかにね、いまのパートは「楽に自然体で」からはほど遠くてめっちゃしんどいんだよね。毎日拷問みたいだもんね。いまのとこに限らず、過去のパートもぜんぶ長つづきしてないもんね。それはたいがい自分がイヤになってすぐにやめた。
けど、去年はとうとうクビになったし、いまのパートでも失敗ばかりでどうにもうまくいかない。私もしんどいし、パート先のひとたちも非常に困っている。もうそろそろ立ち行かなくなくなってきた。
すると、あやさんがこう言われた。
「春子ちゃん、伴奏の仕事はどうですか? このあいだ講座でピアノ伴奏してもらって、それを聞いていたら、春子ちゃんは伴奏向いていると思いますよ」
え? そ、そんな?!
「バイオリンの伴奏をしてみてどうでしたか?」
え? う~ん、困ったなあ。でも私は正直に「気を使いましたね。バイオリンのひとが弾きやすいようにしなきゃと思って。そう、だからそんなに楽しくは思えませんでした」と答えた。
そしたら、ふっと思ったんだよね。これって、そうだ、自分がカウンセラー役をやっているときとおんなじ。
私「カウンセラー役しているときと、よく似ていました。う~ん、だからカウンセリングも楽しくなくて疲れてしまって」
あやさんは「ああ、わかりました。春子ちゃんはね、相手と『対等』になれないんですよ。そう、そこですね。『相手と私』のあいだで対等というポジションを取れない。そうすると、ひとといっしょになにかを『創る』ということができないんです。
カウンセリングでは、カウンセラーとクライアントが対等になって、いまとはちがう次元に到達しますよね。伴奏もおなじです。おたがい対等で、そしてふたりであたらしいものを創り出していくんです」
うわっ! あやさんが言わんとすることはものすごくよくわかるよっ! そうだと思う。まさにそのとおり。でも、私はできない。そしてできない理由もわかった。
私「そうだと思います。私は、だれに対しても劣等感か優越感しか感じないのです。『対等』な関係はまったくわからないです。たぶん『子ども』のポジションから抜け出せていないんだと思います。だから『親』を投影する『先生』という立場のひとたちとしかうまくいかない」
あやさん「でもね、ひとと対等に関わるからこそお金をいただけるんですよ。関わりを閉じているとお金は来ません。そしたら、いままでのようにイヤなことをガマンして『がまん料のお金』しかもらえないんです。
そんな『がまん料のお金』ではなくて、『ありがとうのお金』をもらうためには、まず『自分がひとに差し上げる』ということをするんですよ。他者貢献なんです」
あやさんのそのことばを聞いて、私はふたたび根本さんを思い出したよ。
私「また根本さんの話になりますが、ずっと前に根本さんに言われたんですよ。『ここからは他者貢献の世界になるんですよ。でも春子さんにはむずかしい。いまのままでもいいんじゃないかな』って。
それを聞いたとき、私はとっさにすごく反発しました。こんなにがんばってるのにって思ったんです。他者貢献だってがんばれば私にもできるかもしれないのに、なんで根本さんはそんなこと言うんだろうって。
でも、いまわかりました。他者貢献というのは『他人と対等』になってはじめてできることなんですよね。それは、いまの私にはできないです。そもそも『対等』という実感がわかりません」
あやさん「これまで仕事をしてきて、周りのひとたちをどんなふうに見ていましたか?」
「それは……たいてい見下していました。そういう自分がイヤでしたが、そうとしか思えないんです。仕事の内容も、ほんとはくだらないなあと思っていました」
「どうしてそんな仕事ばかりやってきたんでしょう?」
「……もうわかっています。『親に対する復讐』です。それが目的です。『親のせいでこんなに不幸なんだ!』って言いたいから、たぶんわざと自分に合わない仕事ばかりやってきたんだと思います」
そうだね。それだけだね。なんだかずいぶん長いあいだ、ひとり芝居をやってきたもんだね。40年だよ、40年。リアル親はもうまるっきり関係ないのに、自分の「内なる親」相手に延々と猿芝居をやりつづけてきた。
◆「つづき」はこちら→「下流老人」の看板を降ろしましょう|大塚あやこさんの個人コンサルティング その4
◆「その1」はこちら→●女性は「猫」でいいんです|大塚あやこさんの個人コンサルティング その1