これはもう「サギ」やと思うで|写真スタジオで証明写真を本格撮影 その2(最終回)

クルマで行くこと20分、その写真スタジオに到着。ああ、見覚えがあったよ。シャビーシックなしゃれた建物で、そういうのは大好きだから、おお、やっぱりって思った。

中に入ると、いきなりサロン風で当たりだけど気後れもする。受付では個包装のマスクを渡された。いまどこでもマスクせんとあかんみたいね。

まずは2階に上がって、ヘアメイクの部屋へ案内される。ええと、ヘアメイクって生まれてはじめてっす。どんなことされるのっ?!

でもね、こんなふうに「自分の写真は、写真スタジオで撮るべし」っていうのは、「ビリーフリセット・リーダーズ講座」でわりと当たり前みたいになっていて、Facebookのプロフィール写真がみなさんすんごくきれいなのよ。


大塚あやこさんはもともとアーティスト(音楽家)だから映像にもこだわりがあるし、ビリーフリセット・リーダーズ講座のプロコースでは、個人のブランディングも学ぶことになる。カウンセラーとして開業するんだったらブログも開設して、そこに自分の写真を掲載するなら、やっぱりフォトグラファーに撮影してもらうのが当然だ。

そんなのをFacebookやみなさんのブログでよく見ていた。「フォトグラファーはだれそれです」とあったら、そのサイトも見に行って、なるほど、こんな作品もあるんだなあとか勉強になっていた。

で、私は自分のFacebookプロフィール写真なんて、自分ちの風呂場で自撮りした妖怪みたいに気色わりいやつにしてたんだけど、いつだったか、認定カウンセラーさんのひとりに「これ、なんとかしたほうがいいですよ」みたいに、たぶん愛を込めてアドバイスされたりもしてた。それもあって証明写真でもスタジオで撮ろうとしたわけよ。

さて、ヘアメイク。いつ染めたのか忘れた。なにせ白髪めっちゃ湧いてるがしゃーない。そんな白髪アタマでもかまわず、美容師さんは手際よくどんどん、あれなんですか? コテですかね、なんかいろいろあーしたりこーしたりみるみるうちにきれいにしてくれる。


髪型はすべておまかせにした。「できるだけ若く見えるようにっ! 58才なんでっ!」とだけ叫んでおいた。ほんまは、あと3ヵ月で59才なんよ。

あらかたできた時点で「いかがですか?」と尋ねられ、メガネをかけて鏡を見たら、あら~ん! こ、これだれっ?!っちゅーほど激変していた。

んで、お次はメイクで、これもぜんぶおまかせにした。だいぶん時間をかけて丹念にいろいろしてくれるけど、化粧のことぜんぜん知らんからどこをどないしてるかさっぱりわからん。そんなのはちゃんとわかるらしく美容師さんに「ふだんメイクしますか?」と訊かれて「いいえ、たまーにです」と答える。プロはなんでもお見通しだねえ。

出来上がりのメイクを見てまた度肝を抜かれる。ど、どちらさまですかぁ~?


そうそう、以前根本裕幸さんがしみじみこう言われていた。「まあもう、プロはシロウトが知らないことをいっぱい持ってるんですよ」

などと言ってる根本さんご自身が何万人ものヒトたちにカウンセリングやセミナーをしてきたから、それこそプロフェッショナルなんだけど、それだけに重みのあるセリフだしほんっとその通りだよねえ。

あっという間に「お面でも付けた?」みたいに別人になったのち、いよいよスタジオに案内される。うわあ、広~い! 天井高~い! 照明とか物々しい機材がどっさり! 椅子や家具もいっぱい! あまりにも異次元空間だったので、まるで手術室にでも搬送されたかのように緊張する。

フォトグラファーのひとはやや中年の女性で、上背があって細身でファッショナブルな、いや、あなたがモデルですか?みたいにかっこいいひとだった。そのひとのテキパキとした指示のもと、私は椅子に座ったり、立ったり、やれ顔をどう向ける、あごがどうで、目線がどうで、リラックスがー、肩の位置がーとか、ふう。


むずかしいのは「目をぱっちり開けたまま、口角をちょっと上げる」ということ。いきなりはすっげーむずかしー。なるほど、そういう表情を作らないといかんのねえ。

これまたあっという間に、でも30枚ぐらい撮っていたか。すごい枚数を撮るもんだと感心する。

撮影が終わると、こんどはパソコンの前に案内されて、大きなモニターを見ながら写真を選ぶ。何十枚もあるなかから、フォトグラファーさんが4枚に絞り込んで見せてくれた。う~ん、1枚目と4枚目がいいかなあ。さて、どっちにしよう? 1枚目はやわらかい表情で無難。4枚目は気がキツそうだが、それおまえだろ。

なので私が「はい、気ィキツいんが自分なんで4枚目にします」というと、フォトグラファーさん「そうご自分でおっしゃるひとはそうじゃないんですよ」との返し。撮影のときもそうだったけど、このかた、けっこうハッとすることを言われるすてきなひとなんだよね。いいなあ、好きになっちゃった。


これで写真のセレクトも終わって、1階に降りて出来上がりをしばらく待つ。壁には、これまでの作品もずらーっと展示されていた。どれもすばらしいものばかり! フォトグラファーは3名いるらしい。それにここでは「ヴィジョンフォト」というプランもあって「将来なりたい自分のイメージ」の撮影もしてくれる。

なんかあれだね、ここのひとたち、カウンセリングとかコーチングをよく知っているのかな。いやいや、すごくいいスタジオだね。

15分ほどで、カット済みの証明写真10枚とCDをもらった。出来た写真実物を見て、また腰が抜けそうになった。これだれっ?! サギにならへんっ?!

私「はああ、信じられないほどきれいですねー。自分とは思えません」
フォトグラファーさん「いえいえ、ご自分のなかにあるものしか出ませんから、そのままおきれいなんですよ」


いやあ、そ、そんなまたカウンセリングっぽいこと言われてもねえ。

いずれにしても、プロフェッショナルというのはすげーもんだとあらためて実感した。じつに楽しい体験だった。

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