とりあえず本日「4日目のウォーキング」を行なった。
もともと歩くのが好きだ。でなきゃ山登りなんかせえへんわな。
ウォーキング、とりかかるまでずいぶんメンドーに思えたが、4回目ともなれば早くもいそいそ出かけられるようになった。
それでも過去の経験に照らして、いきなり長時間歩くとあちこち故障するとわかっているので、今日も「10分タイマー」をスマホでセットして歩きはじめる。
ここに引っ越してきてもう2年近くなるというのに、近所を歩いたことはさっぱりなく、移動はぜんぶクルマだった。
しかし、ほんの三日間歩いただけでも、この近辺が私にとって「垂涎の地」だということが非常によくわかってきた。
マンションを出て1分もすれば、そこいら一帯田んぼと畑が茫洋と広がっている。見渡す限り田畑だと、あのー、空が広ーい、高ーい。
まあ、北海道にはとうていかなわないけれでも、しかしねえ、こんなにだだっ広い平野にひとりぽつねんとたたずんでいると、そわそわ落ち着かなくなってくる。
なによりも山並みの眺めが目の前にどーんと、長々と、ぐるりと首を回さないとぜんぶ見えないほど、ずらーっと連なっていて、え? こんな贅沢な光景をひとり占めしてええんかいな?
北に位置する生駒山地からはじまり、金剛山地、和泉山脈がまるで屏風のように居並んでいる。その全長はおよそ80kmらしい。山のほうを向いても高い建物がないもんだから、80km分、途切れずにぜんぶ丸見えっ!
まあ、好きだからね、北から順番になんの山かひとめでわかるよ。で、どの山も好きだからねえ。そんなに好きなヤツばかりズラズラ並んで丸見えだと、なんだか気恥ずかしくなっちゃうよ。
へええ、こんなに豪勢な地に住んでいたなんて、いまごろ気づいて、でもあまりにもうれしすぎてほっぺたが緩みっぱなしだ。
これならウォーキングはつづくな。てか、毎日眺めずにいられないよなあ、このずらずら。
山に見とれながらちんたら歩きつつ、ふうん、ここに越してきたのは「音出し可」の賃貸物件があるからという理由だけなんだけど、こーんなに豪華な眺望まであったなんて、ああもう余生をこの地で送れるとは、なんたるしあわせ!と感動にひたる。
あんまり楽しすぎて10分タイマーがチャラチャラ鳴ったあとももうしばらく歩いてしまった。が、調子こくとあとでエラい目に遭うので、すぐに引き返す。
けれども、ウチまであと3分ほどの場所に差しかかると、ヒザや足の付け根がズキズキ痛み出す。疲れも出てきて眠気をもよおす。ダメだ。ここで眠っちゃいかん。寝るな。起きろ。寝たら最期……でもないけどな。だれもおらんから道ばたで寝ててもイケると思うけど、ふらふらになってようやく帰りついた。
ふう。なんですか、たった25分ほど歩いただけで疲労困憊ですやん。
うん、でもここから再出発だね。この25分を30分に、つぎ35分→40分→45分と、これまたギッチギチに分単位で増やしていくのが、あたいのパターンなんだよお。なんかもう、ピアノでもなんでもぜんぶ計らないと気がすまねーんだよお。
ちなみに、過去の山行記録はすべて「何時何分にどこを出発、何時何分にどこ到着、何分休憩、何時何分出発」と記録が残っている。
計ったからといってなんの役にも立たへんけど。
そういう性癖があるというだけだ。
なんなら、そうだ、メトロノーム鳴らしながら歩いてみようかのう。やれ1個上がった下がったを外でやるのもおもしろそうだとひらめく。
さて、まだ当分タイヘンではあるものの、ウォーキングの効果はもはやちゃんとあらわれている。
まず、メシがうまくなった。寝つきがよくなった。気力が増してきた。ええこと尽くめ。
しかし、ピアノに対しての影響はまだなにもない。これ、いっちゃん期待しとるんやから、なおいっそうウォーキングに励むつもり。