発表会直前ということで、だいぶんアセッてきた。
でもいまさら、これまでの練習不足を後悔してもしゃーない。
今日から3日間、できるだけのことを、まあ、ムリしない範囲でやっておこう。
ムリもあかんと思うのよねえ。
ムリというほどガシガシ練習できないけど、なんかこう、「欲張る」とよろしくない。
これまでどおりの練習を、淡々粛々とやっておく。
私のピアノは「皿回し」だ。
ちょっと前に練習して「だいたい弾けるようになった箇所」でも → しばらく部分練習しないと「ぜんぜん弾けなくなる」。
いやあ、そんなにすぐ回らなくなるって、自分で気がついていなくて。
まあ、「皿回しなんだ」とこないだわかってからは、あきらめがついた。
で、皿回しは粛々やるつもりだが、そうだ、先生がおっしゃっていた「遠くのひとに聴いてもらえるイメージ練習」を猛烈にやりたくなった。
ええと、ウチのなかじゃ「遠く」なんてよくわからん。
なので、やにわに公民館のピアノを予約した。
そこの公民館、ずっと前に使ったことあるけど、もう忘れていた。
しかし、グーグルクロームが勝手に覚えていてくれて、ネットの予約画面で、自動的に利用者番号もパスワードも入れてくれた。
すごいね、グーグル。
いつのまにか、予約が完了していて、今夜18時、クルマでその公民館へ行った。
なるべく緊張しておいたほうがいい。
道まちがうかも、事故起こすかも、手続きがタイヘンかもと、いろいろ妄想をこらし、でもまあ、ふつうに行き着いて、受付もすぐ終わった。
▼「遠くに響かせる練習」だから、広い部屋を借りた。
こんなに広いところで練習するのははじめて。
でも、公共施設だから料金はとても安い。
あまりに広いので、いい具合にドキドキしてくれて、譜面台を取っ払ったあと、そのまますぐに弾きはじめる。
あ、いちおう、シミュレーションとして、舞台袖から歩いてきて → 会場のお客さんを思い浮かべて、ゆっくり見回し → ゆっくりお辞儀 → まずイスに座る → 立ち上がってイスの高さを調節 → 落ち着いてまた座る。
先生のアドバイス通り、歩いているときから、バッハをアタマに鳴らしておく。
鳴らしておいたら、ガサツな動作も少しは防止できる。
●1回目│バッハ、トリル大失敗。モーツァルト、トリル大失敗、前半、音抜けてんこ盛り。
●2回目│バッハ、トリル失敗、派手なミスタッチ。モーツァルト、トリル大失敗、最後の音がみごとに抜ける。
●3回目│まだ指が震えている。モーツァルト、信じられないミス。コーダのところで展開部を弾いてしまった!
いやいやいやいや、ウソだろっ?!
こ、こんなことありっ?! 自分が信じられなくなる。
てか、まさかこういうミスやるかよっ?!みたいなのが、あとからゾロゾロ出てきた。
あうっ、今日ここで弾いといて、マジよかった……
なるほどね、だれもいないのに、広い場所で弾いただけでこんなに緊張するんだ。
しかし、とりあえず10回通して弾いてみたら、ある程度慣れてしまった。
5回目ぐらいまで、緊張しすぎて耳鳴りがするほど。
なので、自分の音もほとんど聴けていない。
6回目以降は、だんだん落ち着いてきて、「音のデカさ」にびっくりしなくなってきた。
けどねえ、ミス多い。トリルは必ず崩壊する。
どこをまちがったのか、ノートに書いておいた。
それがヤバい「皿」だよね。うむ、重点的に回すぞ。
しかし、思いがけなくうれしいことがあった。
そこのグランドピアノが、とてもいい音で、しかもタッチが絶妙で、きれいな弱音が出るのだ。
いや、私が弾くと、マグレでごくたまに弱音になる。
えーっ?! 公民館とかでこんないいピアノ、はじめて。
思わず、こっそり調律の記録を見たら、ああ、調律してまだ1ヵ月も経っていないとわかった。
調律師さんの名まえもわかっちゃったので、こら、スマホで検索しようとしたら、地下だからネットにつながらなかった。(ウチ帰って見たら、そっかー、なるほどー)
ネットにつながらないと、すごくまじめに集中して練習できるとわかった。(こら)
かつ、比べると、それでもウチのピアノのほうが、自分好みのまろやかな音色だとか、やっぱり先生とこのピアノは別格で、1割増しでトリルがきまるとか、いろいろ判明した。
10回通しのあとは、ふつうに部分練習。
ヤバいとこをねちょねちょ。
でも、状態のいいピアノで、しかも広いし、なんかとっても気分よく練習できた。
「遠くに響かせる」のも、ちょっとわかったような気がする。
あ、「いい包装紙に包む」のは、まだできそうもない。ムキ出しやめなきゃ。
最後にモーツァルトを通して弾いたら、まあまあ60点ぐらいで弾けた。
ううっ、発表会でもこのぐらいイケたら御の字なのだが。
どうせダメだろうなんて、思ったらあかんので、地道に皿回しに励む所存でございます。