今日は「ガチ」な治験に行った。
ひょえ~って思った。
しかしねえ、公表してはいかんことになってるので、なにも書けない。
すいません。
どのぐらい「ガチ」かというと、ウチ帰って、ピアノの練習が2時間しかデキないぐらい。
ガッチリ行くとガッチリ協力金をもらえるが、時間もガッチリ取られてしまう。
でも、時給になおすと、パートよりはるかにいいけど。
治験の待ち時間のあいだ、これからピアノをどうしようか?と思い巡らせていた。
なにせレッスンを再開したのが57歳だから、遅すぎてヤバい。
もうしばらくしたら60歳と気づいて、え? あれ? 発表会ってあと何回出られる?
はれ? 人生、みじかすぎへん?
むかし、会社勤めをしていたころ、上司がシステム手帳を買った。
何十年もむかしの話。
携帯電話もなく、電子手帳もなく、そのころのシステム手帳の話。
システム手帳って、ふつうの日別、月別以外にも、いろんなパーツ(?)が追加されている。
そのひとつとして、「見開き100歳」の一覧表があった。
パッと開いて、左右2ページにわたって、100個のマス目が並び、1個ずつに「1歳」「2歳」……「99歳」「100歳」と印刷されている。
その四角い枠のなかに、「主要な出来事」を記入するらしい。
就職とか、結婚とか、長女誕生、長男誕生など。
子どもの予定は、学校卒業まですぐに記入できる。
つぎにバーンと決まっているのは、定年退職。
しかし、上司のひといわく「おい、こんだけでおしまいか?」
チラチラ見ていた私も、そう思った。
たかだか100個のマス目で終わってしまうのが、人生だなんて。
100個あっても、最後のほうはどうせ使えないマスだなんて。
いまの私は、すでに59個のマスを使ってしまった。
残りあといくつなのか、だれにもわからんのが、このゲームの特徴かね。
うんと欲張って、あと10個のマスをピアノに使えるだろうか?
いや、もうちょっと安全圏を考えると、やっぱりあと5~6個か、せいぜい65歳を上限と見積もっておこう。
すると、発表会で弾ける曲の総数がわかる。
あと6回出るとして、最大12曲だ。
あらら、意外と少ない。
そりゃまあ、再開が遅かったからしゃーない。
おまいは、山を先にやっちまったからだよ。
山であらかたマス目を使っちまったから、ピアノのマスがそんだけしかないんだよ。
だよね。
34歳~43歳のあいだ、登り倒していたからね。
これ、逆だったらどうなん?と思わなくないが、いや、それは山が先でしょ。
いまのこのトシから登山はじめるのは、どだいムリな話。
「34歳からバリバリ」やるんだったら、やっぱり山どすえ。
で、貴重な中年期を山で消化してしまったから、いまピアノ弾いて、ココが痛い、アソコが痛いとボヤいておるんじゃよ。
どっちかと言えば、たぶん「山をまっとうする」のがふつうだ。
あちこちの山で出会う岳人どもが、私に向かって、「あんたも一生山やるんだね、そういうカオしてるよ」「おたがいいい人生だよな」と感慨深げに言ってた。
ちゃうちゃう。
あたいは路線変更したんだよ。
いまは、ガクはガクでも「楽人」でいこかと思て。
だって、バッハが悪いんだよ。
はあ、でも、だいぶん遅すぎた。
山の初期みたいに、欲望のおもむくまま、ガガガーッとブルドーザーのごとく突き進むなんて、とうてい不可能。
けれども、これまでのように、1曲仕上げるのに何ヵ月もかかるのは、ものすごくイヤだな。
だって、マス目の残りがせいぜいあと5、6個なのに、そんな調子でどーすんの?
ってなことを、治験の待ち時間につらつら考えていた。
で、決心した。
そうだ、マルをもらうのを、もっと早くしよう!
1週目 → まずまず弾けるように
2週目 → 暗譜
3週目 → 合格!
ははは。
ま、とりあえず目標は高めに。
高くしたい気分なので、高くしといて、早うテント泊縦走ができるようになりたい。(違)
そしたらさ、今日、バッハの難所、あらかた暗譜しちゃったよ。
わっはっは!
やればできるじゃーん!
そうじゃよ、待ち時間も、楽譜見ながらタカタカやってたから、覚えちゃったよ。
そしたら、難所に差しかかると、ちょっと弾けるという珍現象になっちゃった。
だから、ほかをもっとマシにしないと。
ほかのふつうのとこが、ガタピシしてたら、なんにもなんないから、早うほかも暗譜せえっ!