無住のはずの「ゴミ屋敷」にヒトが住んでいた!│借金を返せなくなった恥ずかしい真相│その14

音楽

引っ越しの翌日、私は近所のあいさつ回りに出かけた。

新居のあたりは、住宅街からやや離れて、ポツンと孤立した一画。

私のウチの両隣は、廃屋と空き家で、それも気に入ってココに決めた。

しかし、ウチの裏手から「うがいの音」まで聞こえるとは、ウカツだった。

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さて、ご近所にはなかなか個性豊かな家もある。

▼ご近所の配置

▼引っ越しあいさつの粗品はこれ。パッケージがかわいい。

まずは「ごく普通の家」を訪れた。

かなり立派な二階建てのおうち。

40代ぐらいのていねいな奥様が出てこられた。

「わざわざありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします」とおっしゃる。

私が「あのう、ピアノを弾くのですが、もしご迷惑でしたら、どうかお知らせください」と恐る恐る言うと、

「ちっともかまいませんよ」とニコニコしてくださった。

ふう、やれやれ。




しかし、この「ごく普通の家」は、ウチからはやや離れているし、そもそも堅牢そうな造りに見えたから、たぶんピアノの音はだいじょうぶかも。

問題は、うがいの聞こえる「ゴミ屋敷」。

あ、テレビもふつうに聞こえる。

じつは、不動産屋さんの話では、

「ココは誰も住んでいません」ということだった。

つまり「隣り合っている3軒が空き家」だからこそ、ピアノを弾けるだろうと思っていた。

でも、住んでるじゃん、ゴミ屋敷にさあ。

話し声も聞こえたから、複数人で住んでるじゃんっ?!

そんな怖ろしげなゴミ屋敷のあいさつなんて、後回し。

次は「謎の家」に行ってみた。




いや、正確には、この時点では「謎」じゃなかったんだけど、あとから「謎」というか「常軌を逸する」というか「阿鼻叫喚」というか、後になってわかったのだ。

で、古めかしい「謎の家」をなにも知らずにピンポンする。

しかし、だれも出てこない。

窓は開いているんだけどね。

2分待ってから、もういちどピンポン。

やはり出てこられない。

しょうがないので、また後日あいさつに行くことにした。

んで、いよいよ「ゴミ屋敷」の番だ。

玄関周りもガラクタがあふれかえっていて、いかにも典型的なゴミ屋敷。

けれども、呼び鈴の位置はかろうじてわかる。

意を決して、そのボタンを押した。

すると……

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