ええと、私は去年、2回引っ越した。
1.2022年6月1日 音出し可マンション → 奇怪な一戸建てへ引っ越し。
2.2022年7月11日 奇怪な一戸建て → 家賃18,000円アパートへ引っ越し。
それで、なんといっても「家賃18,000円」に惚れ込んで、そう、このアパートと一生添い遂げるはずだった。
だのにねえ。
また引っ越しだよ。
3.2023年7月3日 家賃18,000円アパート → 母の住む地方のマンションへ。
こんどは、2ヵ所から引っ越すんで、それなりにタイヘン。
まず私は、7月2日(日)に引っ越し荷物を搬出。
つぎのマンションへ荷物が搬入されるのは、翌日7月3日(月)。
遠距離だから、当日中には着かないらしい。
そういう距離の引っ越しははじめてだ。
じゃ、荷物を運び出したあとは、18,000円アパートを掃除して、夜になってからクルマで移動しよう。
高速道路のパーキングエリアで車中泊だな。
ただいま、荷造りをがんばっているが、今日までに15箱詰めた。
あれ? あと10箱ぐらいかね。
私にしては、めずらしく早めに出来つつある。
母の引っ越しは、7月11日(火)。
しかし、「母ちゃん自身」は、前日に私がクルマで新居へ搬送する。
89歳のばあちゃんともなれば「引っ越し屋さんがバタバタしている」のを見るだけで、疲れ果てるからだ。
いまはなんとかシルバーカーで、ヨタヨタ歩いているものの、10歩動くだけで、疲労困憊だ。
でも、口はすんげえ達者で、3時間しゃべっても、ぜんぜん疲れないのよっ!
あまりにもすげえパワーなんだが、そのパワーをもうちっと「運動」に回せばよかったのに。
記憶力もまったく衰えていなくて、状況がドンドン変わっても、人の名まえや日時は、むかしと変わらず、バシバシ覚えていて、私のほうがモノ忘れヒドいんですけど。
しかも、以前とちがって、すっかり物腰もやわらかくなって、ほんと「やさしいお母さん」に成り変わってしまった。
前は、口を開けば文句や叱責しか出なかったのに、いまはなんと、感謝やねぎらいのことばしか発さない。
いったいどうしたんでございましょう?!
根本裕幸さんのブログで、もうずいぶんむかしの記事だが、こんな一節があった。
「あなたが〇〇して、〇〇したら、そうすると『やさしいお母さん』が手に入るんです」
その肝心の〇〇が、どういうことなのか、サッパリ忘れたが、「やさしいお母さんが手に入る」という一文はずっと覚えている。
そう。
私がずーっと欲しかったのは「やさしいお母さん」だねえ。
で、母もまた、ずーっと「やさしいお母さん」が欲しかったヒトなのだ。
ほんまにねえ、「やさしいお母さん」の正体って、そもそもなんなん?
なぜこれほどまで、私たちは「やさしいお母さん」が欲しいのだろうか?
しかし、私のほうが先に「やさしいお母さん」を手に入れてしまった!
母もまた、私に対して、
「まるで、春ちゃんが『お母さん』みたいに思えるの」と言う。
う~ん、私たちは永遠に「お母さんごっこ」をやっていたいのだろうか?
でも、なんかソコにとどまっていないような気がする。
私はやっぱりピアノを弾きたい。
母はと言えば、もともと歌が好きだし、パソコンやスマホも使えるようになりたいし、心理学も勉強したいらしい。
そうやって、おたがいに「好きなこと」をせっせとやっていたら、「違う景色」が見えてくるような気がする。
という「入り口」にたどり着くまでに、私は61歳、母は89歳になってしまった。
うん、でもこのタイミングがベストだったんだよね、きっと。