母と同居をはじめたのは、今月7月10日からだ。
それまでの3年間、母はサ高住に入所していた。
しかしねえ、エゲつない施設でしてな。
常識では考えられない法外な請求をするところだった。
いちおう請求書は毎月出るけど、個々の明細は「番号」や「符号」がずらーっと並んでいて、要するに「シロウトが見ると、いったい何に対して、この金額がかかっているのか?」サッパリわからん。
私も見たけど、ぜんぜんわからん。
たぶん、その番号符号が、どういう内容なのかという一覧表があると思う。
だが、そんな一覧は、もちろん添付されていない。
ゲスい勘繰りをすると、「ワザとわかりにくいように、番号符号で明細を作って、不満が来ないようにしてるんじゃないか?」と思いたくなる。
それに、急に数万円請求が高くなって、母がケアマネさんに質問しても、
「2月と3月では、月の日数がちがうからです」という、ナゾの回答が返ってくる。
ちなみに「母と同居する案」の前に、「私が住んでいる地方の老人ホームに、母が入居する案」があった。
そのとき、私が住んでいるとこから近所の老人ホームが候補だった。
私は、その老人ホームをじっさい見学に行って、施設のヒトたちから、いろいろ話を聞いたし、私も「いま母が入っているサ高住は、こんなに高くて」とコボした。
すると、老人ホームのヒトたちは、こう言った。
「それはオカしい。ウチもヨソもそんなことでおカネを取りません。
そんなのは、月額利用料にすべて含まれていて、余計に請求なんてしませんよ。
ソコは、ヘンです。
自治体で苦情聞いてくれるとこに、言うたらどうですか?」
やっぱりそうかと思ったが、メンドーなのでドコにも相談しなかった。
そしたら、その「ヘンなサ高住」から、
「退去後に部屋を調べたら、敷引き対象になるキズが23ヵ所あります。
別途クリーニング代もいただきます」というメールが来た。
敷金は約50万円支払っている。
けど、この調子だと、たぶんゴッソリ敷引きされそうだ。
すると、久しぶりに母ちゃんが「大噴火」した。
「そんなキズなんて、付けるわけないでしょっ!!」
いや、そうだろね。
だって、私自身が退去後にそうじしたけど、明瞭なキズは1ヵ所だけで、それも古いキズだ。
母は、流しも洗面所も、毎日ピカピカに磨き上げる性格だ。
その古いキズは、私も、母が入居する前のキズだと思っていた。
だのに、そのキズだけでなく、え? 23ヵ所ってなんなん?!
まあ、私も母も「理解できないキズ」で敷引きされるのはタマらんので、また私が「ヘンなサ高住」とメールを何往復もしていろいろ頼んだ。
そうしたら、ようやくサ高住から「キズの写真」を郵送してきた。
ところで私は、サ高住からの引っ越し作業のあと、空っぽになった部屋の写真をスマホで撮っていた。
ぜんぶで60枚撮った。
その画像と、サ高住から来た「キズの写真」を見比べると、う~ん、意外な事実が判明した。