ここしばらく、母の健康上の問題が勃発。
二日つづけてクリニック通い。ふう。
まだ近所で見つけていないので、以前の遠めのクリニックへ。
まあ、問題が起これば、その都度クリニックへ行けばいいのだが、「移動がむずかしい」のと「母が疲労困憊する」のが厄介だ。
いまのマンションは1階に住んでおり、管理会社がはからってくれて、駐車場も玄関前から3メートルほどの場所。
健康なヒトなら、「玄関のすぐ前に駐車場があってラクラク」で、まるで戸建てみたいな便利さ。
だが、ほとんど歩けない母にとっては、クルマに乗り込むまでに、つぎつぎと難題がありすぎ。
スリッパを脱ぐ、靴を履くことすら、私が手伝っても数分かかる。
ましてや、玄関外に出るまで、合計4ヵ所の段差を通過するには、手すりもないので、ひとつずつ「怖さ」でパニックになってしまう。
私が支えているので、すがりつつ一歩一歩なんとかなりそうなんだが、母は「いまにも転倒しそうな恐怖」で余計に身体が動かなくなる。
「怖い怖い!」と言って、手をパタパタ振るのがクセなんだが、おい、ココで手を離してどーすんだよっ?!
なので、私は母の身体をぴったり支えつつ、次に置く足の位置や、体重のかけかたをゆっくり指示しながらの移動。
高めの段差は、小さい踏み台を置いて軽減するが、歩数が増えてしまうのが難点。
結局、「身体を使うこと」そのものが、もはやデキない状態になりつつあるね。
クルマの助手席に乗り込むのも、もちろんタイヘンだけど、足元には踏み台を置き、車内にはつり革みたいなグリップを付けてある。
この持手はスグレモノ。
パッと見て「わかりやすく、つかまる気になる」ので、母が迷わず手を伸ばせる。
クルマは、ドア部分やダッシュボード下など、けっこうつかまる部分がたくさんあるので、玄関あたりの段差より苦労しない。
とはいえ、クルマを発車させるころには、母ちゃん、血の気が引いて青白くなるほど疲れ切ってぐったりしている。
時間にしたら20分ほどなんだが、「移動」がこれほど手間ヒマかかるとはねえ。
あたしゃ、生まれてはじめて「バリアフリー」の重要さを思い知ったよ。
本人も介助者もラクなのは、車イスに乗っけて、部屋からオールバリアフリーで、そのまんま福祉車両に入れられるのが、超理想のパラダイス。
ほんま、こういうのが実現したら、通院のハードルが大幅に下がり、どうってことなくなるが。
「バリアフリー」に関しては、どこのサ高住も当たり前のようにそうなっていて、悔しいけど、築古マンションじゃほど遠い夢。
あと、いま母はデイサービスも行っていない。
以前のサ高住では、同じ建物の1階にデイがあった。
なので、デイに通うのもエレベーターで下に降りるのみ。
ところが、退去して居宅になっちまったので、う~ん、これもハラ立つけど、あそこのメリットだったなあ。
デイは、涼しくなってから「お試し」する予定だが、やはり送迎車に乗り降りする過程がタイヘンすぎる。
「動けなくなりつつあるヒト」を移動するのは、意外にも相当むずかしい。
その点、高齢者施設は基本的にバリアフリーだし、いざ転倒した際でも、複数人が対応できるからね。
在宅介護というのは、「50kgのブツをひとりで取り扱うんでっせ。イケまっか? どないだ?」がまず問われるんすね。