「90歳骨粗鬆症」を手荒くあつかったらこうなって深く後悔

日々のあれこれ

母が転倒したらどうすっぺ?

てのも、アタマの痛い問題だ。

仮にコロんだら、ぜったい自力では起き上がれない。

ただし、数年前はもう少し筋力があったので、横向きにコロんだ場合に限り、這いずって手すりのあるところまでは、かろうじて行けたらしい。

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いまから5年前、母は賃貸マンションでひとり暮らし。

トシは85歳だったが、買い物はヘルパーさんに頼んで、なんとかひとりで生活していた。

しかし、あるクスリの副作用でふらつきが出て、3回ほど転倒してしまった。

運よくアタマは打たなかったものの、いったん床に倒れると、年寄りはもう起き上がれないんだよ。

前回、私が母と同居していたのは7年前で、そこまで足は衰えていなかったかな。

なので母から「コロんだら起き上がれない」と聞いても、ぜんぜんピンとけえへん。




いやあ、時間をかけたら、人間だれでも、横になっている状態から徐々に立ち上がれるモンでしょ?などと、私はタカをくくっていた。

ところが、もう5年前からは、コロんだら最後、その場で起き上がるのは不可能になってしまった。

で、母は、賃貸マンションで3回転倒したときは、手すりのあるところまで長い時間かけて這いずっていって、やっとのことで立ち上がれた。

その後、サ高住に入所したのち、また1回転倒。

施設では、1日に数度見回りがあるから、だれかが来るまで、コロんだまま床に寝ていたらしい。

そして、たまたま覗いてくれたヘルパーさんの介助で、立ち上がらせてもらったそうだ。

これこれ。

この「立ち上がりの介助」で、しかも「介助者ひとり」で、ちゃんと立てるようになるかどうか?

なんかさ、「そりゃ、立てるでしょ?」って思わんかの?

てか、私が甘すぎ?

同居してから、はじめて母が転倒?したとき、じきに立ち上がれるハズと、私は思っちまった。

だって母は、縦のポール状手すりを両手でしっかりつかまりながら、ズズーッと下に下がっていっただけだから。

で、尻モチをついて「痛い、痛い!」とわめいていた。

その状態で、私が手や腕を引っ張っても、ビクともしない。




最終的には「背負子ベルト」、コレってスーツケースとかを背負うヤツだが、私がそのベルトを使って、母を介護ベッドの上まで引き上げた、ヒーコラ。

いや、50kgのブツを持ち上げるって、タイヘンすぎ。

けれども、転倒はいつなんどき起こるかわからん。

で、とりあえず↓こういう「介護ベルト」を買ってみた。

コレは「私が首にかけて支えられる」ので、良さげ!と思って、アマゾンで買ったのよ。

ところが、試しに母ちゃんに装着してみたら、胴部分の「太いベルト」が母には硬すぎた。

太もも周りのハーネスもちゃんと付けたにもかかわらず、私が母を持ち上げようとすると、

「痛い、痛い! 背骨が痛い!」とタイヘンな騒ぎに!




私も「背骨が痛いなんて!」と、それこそ背筋が寒くなる。

ウカツにもこんなモノを付けて、ふたたび「圧迫骨折」してたらどうしようっ?!

すぐにベルトをはずし、母をイスに座らせて休ませる。

母ちゃん、苦痛に顔をゆがませて、息も絶え絶え。

ああ、しまったなあ……

いやあ、こんなに後悔したのもはじめてだった。

が、2時間ほどじっとしていたら、痛みは少しずつやわらいできた。

結局、翌日はもうほとんど痛まなくなり、ふう、骨折じゃなかったかね。

もうね、90歳ともなると「ワレモノ厳重注意」になっちまうね。

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