今年5月はじめに、サ高住にいた母に、私が電話をして以来、バタバタバタ~ッと走りづくめだったかね。
当時母は、そこのサ高住に住んで3年たっていた。
しかし、法外な追加料金を請求されたり、スタッフさんにいじめられたり、食事が非常にマズかったり、デメリットばかりだった。
「いますぐにでも、ココを出たい」というのが母の願い。
さいしょのうちは、もともと私が住んでいた地方で、べつの施設を探して、そこへ母に移ってもらう案だった。
私は、いくつか施設を見学に行ったりした。
それが、「もう施設じゃなくて、ふつうのウチで同居がいいよね」とおたがい思うようになった。
で、私が住む地方で、新しい賃貸を探していたのだが、母が、
「やっぱり、こっち(母がむかしから住んでいるとこ)に来てほしい」となる。
しかも「できるだけ早く。暑くなるから、6月中には引っ越したい」
またまた、あわてて賃貸探しに奔走する。
母の住む地域は、私のところから100km以上離れているので、内見に行くのもひと苦労。
母の希望する部屋は、北向きの8畳以上のフローリング。
あと、ほかの居室もフローリングが好きだし、けれども家賃(ふたりで折半)も押さえないといけないし。
場所柄も好みがあるので、なかなかタイヘンだったが、ようやくあるマンションに決めた。
それからは、2ヵ所の引っ越し作業に突入。
「私│賃貸マンション → 母地域の賃貸マンション」と「母│サ高住 → 賃貸マンション」だ。
引っ越し荷物搬出後、室内清掃とかもやらないといけない。
さすがに2ヵ所の引っ越しは、タイヘンだった。
転居したあとも、母が生活しやすいように、介護用具をととのえるのもタイヘン。
そもそも、ケアマネさんも変わったし、介護用具会社の担当者も変わった。
あらたに、入浴介助で、週3回ヘルパーさんも来られる。
もともと母は、他人に対して極端に気を使うので、だれかがウチに来るのをイヤがる。
そうはいっても、室内の段差箇所とかに、手すりがないと移動できない。
古いマンションなので、洗面所やトイレは、数センチの段差が当たり前。
その数センチを乗り越えられないのが、90歳のばあちゃん。
なので、ウチのなかのあちこちに、手すりが、まるで林のようにそびえ立つことになった。
だが、本人が入院したとなれば、こういった介護用具は、いったん返却することになる。
先日、介護用具会社のスタッフさんが、ふたりでやってきて、45分かけて撤去した。
大物は介護電動ベッドと、そのマット。
あと、手すりが8本。
これは、ウチの中用が7本と外に1本だ。
浴室内での、置き型手すり1個。
トイレ内での、便座両脇の水平手すり1組。
ほかには、ベッドサイドテーブルとシルバーカー。
いやあ、こんなに介護用具をレンタルしてたんだ。
ぜんぶ引き上げてもらったら、ウチのなかが非常にスッキリした。
と同時に、ぽっかり空いたベッドのスペースが、なんだかうら寂しい。
もちろん、退院が決まれば、そのときの身体の状況に応じて、またすぐに搬入してもらえる。
それにしても、こういう用具ひとつひとつを、どれにするか、どこに置くか、いちいち母にも試してもらったわけで。
そりゃあ、疲れるわな。しんどいわな。
ほかにも、クリニック通院の回数も、ものすごく増えてしまったし。
ウチのなかでの転倒も4回あったし。
ああ、私も少しばかり疲れたよ。
母自身は、入院してしまって、またちがう環境で苦労しているだろう。
病院の言うとおりならば、母の病状は「変わりない」らしい。
「変わりがなければ、家族に電話しない」ので、じゃあ、変わらないんだ。
ならば、入院当日と変わりなく、まったく一口も食べられない状態がつづいているのかね?
などと、嫌みのひとつでも言いたくなる。
が、いま現在、私が母のメンドウを見なくて済むのは、とても助かっている。
母にまつわる手続きは、まだまだ山積しているが、それでも生活全般を介助しなくていいので、ふう、私は骨休めさせてもらってるよ。