私「できれば、胃ろうのほうが、あの……必要な栄養素っていうのは摂れるので……、
そっから、ま、母自身の考えではないですけれどもね、
あのう、ただ、このまま栄養がぜんぜん摂れない状態がつづいているのは……ちょっと、シロウト考えですけど。
ま、持ち込み食は、ちょっとどうかなと。
ま、もうムリかなあという気は……私としては思われるんですね」
主治医先生「ふーん」
私「すいません、まあ、あの、本当のこと、お話しないと……。
持ち込み食で、また試してみてってなると、ま、ちょっと時間が経つばっかりかな、と思われるんです。
恐縮なんですけど」
「ふーん、う~ん…………」
「すいませんね、申し訳ないです」
「あ、いや、う~ん…………う~ん」
「ま、もし仮に胃ろうになったとしても、在宅で胃ろうできる、継続できますね?」
「……ん、まあ、できます……、できますね……、できますけど……
う~ん、どうしたものかなあ、う~ん、う~ん」
私「ま、あの、率直に、先生はやはり、もうアレですか、
もう胃ろうとか、そういう経管栄養はせずに、
このまま自然に最期を迎えたほうがいいと、お考えですか?」
先生「う~~~ん」
「もう、それはほんとに、率直におっしゃってください」
「…………うんとね、そこに関しては」
「はい」
「いわゆる死生観に近いものなので」
「あ、はい、そうですね」
「個人によってちがうんです」
「あ、そうですね」
「個人とか状況によってもちがうし。
たとえば、戦時中だったら、ぜったいこんなことしないし」
「はは、そうですね。私も望みません」
先生「でね、要はね、むつかしいのは、あの……、ま、あのう……、
ま、とくに日本ってのは、食べれないってヒトが入院適用になる、数少ない国なんですよ」
私「あ、はい」
「で、今回みたいなカタチで、ええと、ご連絡いただいて、あのう、どうぞ来てくださいって思うし、入院していただくんですけど、
そんなかで、やっぱ、そのタイミングタイミングで、判断していかなダメなんですよ」
「はいはい」
「ま、さいしょ食べれへんというのは、あのう、ある程度しかたないと思いますけど、
そっからね、ま、そのう、えー、食事受けつけへんにしても、
ちょっとずつそれが改善されていくのか、ある一定のね、
ま、もちろんお身体がおっきくないのでね、お母さん、
女性なので、そんなおっきくないので、十割食べる必要ないと思うんですけど」
「はい」
「うん、ある程度、まあ、あの、3割4割安定して食べれるんやったら、
もう家、帰らはったほうがいいと思います」
「ふんふんふん」
先生「はっきり言うと」
私「はい」
「で、あのうそれで、まだ食事が進まないってなって、
えー、まあそれで、むつかしいんですけど、それでも帰るヒトもいます。
食べれないので、もう病院にいるんやったら同じやから、
もう家で経過見ますっていうヒトもいます」
「はい」
「要は、そのう、えー、胃ろうにするメリットっていうのは」
「はい」
「……なにだとお考えですか?
なんでそんな胃ろう……」
「あのう、母は……」
「うん」
「独特の死生観を持っているんですよ」
「うん」