母は、ずっと前から骨粗しょう症で、一昨年とうとう背骨をクシャッと骨折した。
お医者さんから「3ヵ月間、寝ているように」と言い渡されて、しかたなく寝たきりに。
その後、ようやく起きてもいい許可が出て、自分なりに歩く練習をして、なんとかシルバーカーで歩けるようになったらしい。
で、私も骨粗しょう症なのだ。
あ、正確には、ちょっとだけ骨密度の値がマシになったが、骨粗しょう症スレスレは変わらない。
母と同居する前、旧居から通っていた病院は、なんつーか、そんなに熱心に診てもらえなかった。
そうそう、母がらみで、いろんなお医者さんに会ってきたけど、ほんとみなさん、それぞれにちがう。
お医者さんといっても、やっぱり相性があるから、どうもウマく噛み合わないと思えば、ヨソを当たってみたらいい、とようやくわかった。
引っ越し後、骨粗しょう症に詳しそうな整形外科を探して、3ヵ月前に受診した。
そしたら、前の病院とまったく大違いで仰天。
前のところでは、いちおうデキサ法(DEXA法)の検査はしたが、まあ、それだけ。
それも「年に一度でいいです」とのこと。
ところが、こんどの整形外科は、デキサ法はもちろん、血液検査も尿検査もしてくれた。
血液検査では、骨形成マーカーや骨吸収マーカーも項目に入っていた。
診察後は、別室で看護師さんが、骨粗しょう症のパンフレットを手にして、今後日常でどう対策するのか、くわしく解説してくれた。
いやほんと、どこにかかるかで、ぜんぜんちがうんだよねえ。
今日は、その整形外科へ行って、薬だけもらってきた。
このつぎは、3ヵ月後にまた検査をするとのこと。
うんうん、半年に一度は検査してもらいたかったから、私の望みどおりのクリニックだ。
そのときにいい結果が出るように、ちゃんと運動せんとな。
ところで、その整形の受付スタッフさんが、
「遠いところをわざわざ。お気を付けて」と言ってくれた。
へ? クルマで30分なんだけど、遠いですかね?
「クルマ30分は、遠すぎる!」と、デッカイ声でいつも言ってたのは、お母さまです。
母も、施設から引っ越しした際、それまで通っていたクリニックを変えないといけなかった。
すぐには変更できず、それこそクルマで30分ちょっとかけて、元のクリニックに行っていた。
それが、遠すぎる、と。疲れる、と。
そうこうしているうちに、ガタガタ総崩れで、肺炎だのなんだので入院しちゃったよ、母ちゃん。
私は「クルマで30分」って、余裕で近いと思っていた。
音楽聞いていたら、すぐじゃん。
そもそも私が免許を取ったのは、40歳のとき。
そのころは、山登りにどハマりしていた。
なにせ地方は、路線バスが軒並み廃止されつつあったので、クルマがないと不便でしゃーない。
だから、免許取って、クルマ買って、毎週末に信州とか当たり前に行っていた。
まあ、クルマで行くまえから、やれ北海道じゃー、九州じゃー、四国じゃーと、どこでも行ってたけど。
だもんで、「遠い」という感覚が、あんまりわからん。
どこまで行ったら遠いねん?
だから、そう、前の前の前の賃貸マンションに住んでいたとき、
ピアノのレッスンに通うのに、片道1時間40分かかったが、ま、ちょびっと遠かったかね。
けれども、今日受付さんに言われて、あ、そっかー、30分かけてクリニック行くのは、やっぱり遠いんだな。
私も、春になったら62歳。
だんだんムリが効かなくなってくるはず。
いつまでも「むかしは、ああだったこうだった」なんて、ほんまトシ寄りやん。
せいぜい「クルマで15分」ぐらいの行動範囲に収めよう。