ということで、「追い炊き」という快楽を知ってしまった私は、それ以来、シャワーを浴びず、浴槽にお湯を貯めては、ひそかに追い炊きを楽しんでいた。
だが、こんなことをよろこんでいてはいかん。
お母さまにバレたらどうする?!
母上は、すでに浴槽に浸かることができず、結局、この「追い炊き」機能は一生使うことができないのだ。
そろそろ退院が迫っているいま、私がやるべきことは、「シャワーでも寒くない浴室」対策を考えることだ。
まあ、以前から思っていたが、セラミックファンヒーターで、浴室をあっためておいたらええんちゃう?
そこで、実験してみた。
▼セラミックファンヒーター│パナソニック(1120W)を設置。
▼隅っこに温度計付き時計を置く。
▼はじめは、11.6℃だった。寒いわ~
これで、浴室の折れ戸をできるだけ閉めて温める。
コードの分だけすき間があるけど、たいしたことない。
さあ、それでは10分ごとに温度をチェック!
ちょうど1時間で、ホッカホカになった。
浴室のなかは、じゅうぶんすぎるほど暖かい。
それでは、ファンヒーターを浴室の外に出し、そのまま廊下で稼働させておく。
さっそくすっぽんぽんになって、浴室に入ってみたら、あ、もうぜんぜん寒くない。
シャワーを浴びたあと、ゆっくり身体を洗っても、ホカホカのまんま。
ちょうど6月ぐらいの感じだ。
うんうん、これなら母ちゃんも寒くないねえ。
いちおう、マグネットのシャワーフックで、母の後ろからシャワーをかけておこうか。
髪を洗っているあいだ、シャワーフックにヘッドを付けておいたら、身体全体を温められる。
じっさい自分でも試したら、首の後ろにかけつづけると、すんごく気もちよかった。
よぉし、よしよし、これでシャワー対策は万全だ。
ただ、ヘルパーさんに、たとえばシャワーヘッドを移動させて、しばらく身体にかけるとか、そういうのを頼みにくい。
そもそも入浴介助は、訪問してから、帰るまでのあいだ、たぶん40~50分で収めているみたいだ。
なので、浴室のなかにいる時間って、正味15分ぐらいかね。
シャワーのあと、服も着せて、ドライヤーかけて、浴室の掃除までしてくれるが、前後の作業がいろいろあるので、ゆっくり入浴はできない。
それ、冬はかわいそうだな。
いまの母は、食べる楽しみがなくなってしまった。
せめて、シャワーぐらいはじゅうぶん浴びたいだろう。
ちょっと考えているのは、できれば私が介助しようかなってこと。
ただし、自分がしんどいようなら、週一ぐらいにして、あと2回はヘルパーさんに頼むとか。
夏ごろ、何回か、私が介助して入れたことがあるけど、まあ、けっこうタイヘンだった。
ヘルパーさんにやってもらえれば、私はすごくラク。
でも、母はヘルパーさんに気を使うので、もちろんイヤがっている。
そこらへんをね、私がムリせずデキる範囲で、やってみようか。