去年11月30日、母が入院したとき、病名は「食欲不振」だった。
でもまあ、あとでちっちゃい肺炎が見つかったり、てか「老衰」っちゅーことになった。
「老衰で食べられないんだから、もうウチに帰ってください」と勧められた。
だけど、私も母も「それはイヤだ、胃ろうにする」と主張した。
結果的に、主治医先生もちゃんと対応してくださって、外部病院で胃ろう造設をし、
そのあと、これまでの病院にふたたび入院、継続中。
ただ、先月25日に病棟が変わった。
それまで「急性期病棟」だったのが、「地域包括ケア病棟」というところに移動した。
「地域包括ケア病棟」なんて、私は聞いたこともなかった。
平成26年4月から、そういう病棟が新設されたらしい。
急性期の治療が終わったあとの「在宅復帰支援の為の病床」とのこと。
今日病院へ手紙を届けに行ったら、母からのことづけとして、
「地域包括ケア病棟入院診療計画書」が入った封筒をもらった。
そこには、病名が「摂食障害」と書かれていた。
へええ!
摂食障害ってアレでしょ?
若いおねーさんがよくかかる病気っしょ?
拒食症とか過食症とか。
こないだまで「老衰」だったのに、エラくまた70歳ぐらい若返ったもんだ!
そういえば、先週面会のとき、
母「やっぱりぜんぜん食べたくないの。
ほかのヒトがごはん食べていても、ちっとも欲しくないの。
ヘンな病気でしょ?」と言って、目をクリクリさせていた。
ふふ、そういう口ぶりというか、表情というか、そういうのがね。
「永遠の女子中学生」みたいでね。
うん、わりと「摂食障害」が似合うなあ、「老衰」よりも。
胃ろうになったけど、口からも食べるようにしておいたほうがいいらしい。
ちゃんと噛んで、飲み込む動作をやっておかないと、ダメになっちゃう。
とくに誤嚥性肺炎を防ぐためにも、きちんと飲み込む動作は必要。
でも、いまの時点で、もう栄養の心配はなくなったから、私はかなり気分がラクなのだ。
それに、母ちゃんのこと、あらためて「かわいいなあ」と思えて、そのポイントは高い。
ようやく私に「余裕」が出てきたのだ。
少しばかり、やっと私もオトナになり、「母のかわいさ」に気づけるようになった。
たぶん母は、だれからでも「かわいいね」と言って欲しいんだと思う。
ほんとは、母の実母から、言ってもらいたかったんだろう。
そういうカラクリを、私はずーっとまえから気づいていたけど、
母に、面と向かって「かわいいね」と言うことに、すごく抵抗感があった。
それだけは言いたくねえって、意地張ってた。
でも、いまは変わったな。
母を見て、すなおに、ああ、かわいいヒトだなあって思うようになれた。
だから、自分がそう思ったときは、ごくしぜんに「かわいいね」と口に出せるだろう。
「かわいいね、エラいね、よちよち、がんばろうね」って言ったら、もしかするとプリンぐらいは食べてくれるかもしれない。