ネットで見ていると、高齢者が胃ろう造設をした場合、1~2週間で退院しているようだ。
母が、胃ろう造設したのは1月17日。
なので、さいしょ私は、1月いっぱいぐらいで退院できるかと思っていた。
病院に対して、家族が電話することはできない。みなさん、とてもお忙しいからだ。
それで退院については、いつか病院から私に、なにか知らせがあるだろう、と待っていた。
ただ、ずっと連絡がないので、いったいどうなるのか、ちょっと困っていた。
退院するに当たって、私が自宅で胃ろうケアできるように、ご指導も仰がないといけない。
それで、先週2月8日(木)、母との面会日のとき、
「おおよその退院予定を、わかるようならば教えてください」みたいな文書を作って、
面会前に、詰め所へ控えめにお渡ししておいた。
すると、今日のお昼、12時05分に病院から電話があった。
「胃ろう指導、やりますので、三日間来てください。
2月15日11時半、まず見学です。
2月19日11時半、20日11時半、これはやってもらいます」
電話をくださった看護師さんとは、前回面会のとき、少しお話したことがある。
どうやら、この看護師さんが非常に忙しくて、私に指導する時間が取りにくいニュアンスだった。
そもそも、ここの病院で「胃ろうを在宅でやる患者」は、はじめてらしい。
だから、そのあたりも難航している理由のひとつかもしれない。
指導が終われば、退院のメドが立ちそうだ。
つまり、看護師さんのご都合がつけば、退院が早くなるとわかっていた。
で、タイヘンだろうに、なんとか時間を作ってくださって、おお、日程が決まったよ!
よかったねえ、母ちゃん、退院に近づいたよ。
私は、そのことを手紙に書いて、午後4時21分に受付へ届けた。
病院の帰りは、いつもスーパーに寄り道する。
レジを通して、さ、スマホ決済しようとしたら、いきなり電話が鳴った。
見ると、病院からだったので、とっさに電話に出てしまった。
お昼のときとは、べつの看護師さんからで、
「ぜんぶキャンセルです」とおっしゃる。
看護師さん「コロナが発生したので、病院には入れません」
うわっ!
しかしなあ、ちょ、ちょっと、レジで渋滞してたらあかん。
私「あのう、ほんとすみません、いま、スーパーのレジにいまして、10秒だけ待ってください!」
で、ええと、スマホの画面を切り替えて、
レジじゃ「バーコードをかざしてください」とか、機械が言ってるの、丸聞こえで、
ひゃあ、早くやらんと! がんばって決済して、ふう、
私「申し訳ございません! お待たせしました!」
看護師さん「面会もキャンセルです。面会再開はわかりません。
胃ろう指導は、24日以降、もしかするとできるかもしれませんが、いまのところ未定です」
私「わかりました。ご連絡をありがとうございます。
それでは、誠に申し訳ありませんが、もし余裕がございましたら、
母にそのことをお伝えいただけると助かります。
ついさきほど、胃ろう指導の日程を、手紙に書いて渡してしまったのです」
あとで考えたら、また明日の手紙に書けばよかったのだが、
大事なコトは、早く伝えておきたくて、看護師さんに頼んでしまった。
電話が終わったあと、あーあ、母を糠よろこびさせちゃった、とさすがに力が抜けた。
なんとあわれな母ちゃんよ。
やっと退院のメドが立ちそうになったとたん、コロナで病院立ち入り禁止だよ。
あわれだねえ、かわいそうだねえ、と思うには思ったが、
こういうことが、結果的に吉か凶かは、わからない。
非常にガッカリしている母の様子が目に浮かぶが、ちっともハラハラはしなかった。
あ、母との「境界線」が、ちょっとだけ引けたような感じ。