母10回目の転倒│コロぶ様子を観察してわかった意外なこと

日々のあれこれ

母が退院してから、ふたりで、

「コロぶ、コロばない」「リハビリする、しない」「骨折避けたい」ってなことを、何度も話し合ってきた。

いま↑「話し合い」と書いたが、はれ?よく考えたら話し合いじゃない。

冷静に客観的に思い返してみると、そもそも母は、

「自分はもうコロばない」「骨折なんかしない」「リハビリは嫌いだからやらない」と明言している。

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だのに、ソレをくつがえしたくて、私が勝手に、

「いままで、こんなにコロんできたヒトが、この先一生コロばないはずがない」とか、

「高齢者がコロんで骨折して、入院して、とうとうほんとに寝たきりになるケースが多い」とか、

「コロぶのは筋力低下が原因だから、予防のためにリハビリをすべき」とか、

そういう正論めいたことを振りかざしてきた。

一見、介護するニンゲンとして正しそうなんだけど、う~ん、どうなのかなあ?

だって、母の考えはすでにハッキリしていて、先にも書いたとおり、母自身コロぶことも骨折も心配していない。リハビリはもともと嫌い。

そうそう、仮にもし、私が母の立場だったら「コロんで骨折するのが怖いから、リハビリするぜ」というわけなのだ。

それって、あくまでも「私だったら」という前提で、しかも私はまだ90歳ではない。まだあるていど動ける62歳なのだ。




四日まえ、ケアマネさんがウチに来られたとき、私はケアマネさんにこう尋ねた。

「ほかのみなさん、どんなふうにリハビリしていますか?」

ケアマネさん「そりゃもう、わりと熱心にやっているヒトが多いですよ」

と、リハビリ賛成派らしく、力強い答えが返ってきた。

私「ふうん、スゴいですね。

寝たきりに近くてもがんばっているんですね」

「いや……、要介護2ぐらいのヒトが、積極的にリハビリしてますね。

お母さま(要介護4)ぐらいだと、現状維持…でしょうか」

あ、そっかー。

要介護4と5は「ほとんど寝たきり」なんだよね、そもそも。

亡父が脳梗塞で半身不随、やや認知症だったが、それで要介護4でさ。

母は、どこもマヒしてないけど、おんなじ要介護4。

半身不随だと、見た目もアレで、寝たきり当たり前、リハビリもいかにもムリそう。




でも、母はとくだん身体を動かせないわけでもないし、胃ろうのおかげで栄養も摂れて、ふっくらと色つやもよく健康?そうだ。

なんだけど、今朝6時20分、トイレからの帰りにコロんだ。

コロぶのは10回目。

今回は、コロぶ様子をよく観察できた。

トイレ周りには、手すりを4本設置してあり、母はその手すりにつかまりながら、シルバーカーの取っ手を持つ。

で、コロぶ直前、手すり2本を、右手と左手でしっかり握っていた。

かつ、私が右側から、母の身体をがっちり確保していた。

にもかかわらず、母の右ヒザが軽く「く」の字に曲がったのだ。

母「あ、ダメ、怖い!」

私「はぁい、右のおヒザに力を入れてまっすぐ~」

母「ううん、デキない」

私「じゃあ、ゆっくり下に座ろうねえ」




そして、じわじわズルズル床に座り込み、そのあとゆっくり床に寝ころぶ体勢に持って行った。

ははあ、なるほど。

いったんヒザの力が抜けると、右手左手左足の支えがあり、私が身体を確保していても、もう立っていられなくなるんだな。

しかもそれは、母自身がどんなに気をつけていても予測できない。

母の脚力は、リハビリを止めてから徐々に低下しているが、急激に衰えてはいない。

今朝の歩きかたも、昨日とは変わらず、かろうじて無事に往復できそうだった。

でも、ふいに右ヒザの力が抜けて、いわゆる「ヒザ折れ」になってしまった。

さて、廊下に寝ころんでいる母に、いつものように枕をあてがいふとんをかけ、緊急コールの電話をかけた。

今日は40分後にヘルパーさんが来てくださって、ベッドまで運んでもらった。

その後、私は母に対してなにも言わなかった。

いたわりのことばはていねいにかけたが、リハビリだとかポータブルトイレの話は持ち出さなかった。

これからどうするか?は、母自身が考えることだからね。

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