「耳なし芳一」を印刷したヤツを、母のところに持って行ったら、母ちゃん大よろこび。
「うれしいわあ、入院していたときから、つづきを読みたかったから。
もうすぐに読むわ!」
そういえば、母が入院中、毎日手紙を持参していたとき、だんだんネタ切れになってしまった。
そのとき、耳なし芳一のさいしょの部分を、2回ほど印刷し同封していた。
だけど、面会が2週間に1度しかなく、母が読むのをしんどいかどうかがわからない。
そのうち「歯がとても痛くて、病院へ訪問歯科に来てもらう」らしいと、病院から連絡があった。
そんなにタイヘンなら、「耳なし芳一」連載はいったん中止だな、と私は思い、それきりになっていた。
ところが、いまになって母は、
「耳なし芳一のつづきを読みたい!」と判明、ようやくさいしょから終わりまで渡せたのだ。
母のところへ持って行ってから約30分後、どのぐらい読めているかな?と思い、私は母の部屋をのぞいた。
母「すっごくおもしろかった! ありがとうね!」
え……?
私「もう、ぜんぶ読んだの?」
「うん! よかったわあ~、やっぱり怖くておもしろかったあ!
もっとほかのも読みたい! もっとちょうだい!」
ひええ、もっと持つかと思ってたんだけど、すぐ読んじまった。
私「やー、おもしろくてよかったね、楽しみができたね。
でも、う~ん、ソレ印刷するのに20分はかかるんだよ」
母「ふうん、1時間もかからないんだ」
うう、そういう感覚か。
困ったなあ、いちいちキャプチャして印刷するのは、あまりにもメンドーだよ。
かといって、せっかく読書が楽しくなっているのにね。
そこで、私が持っているキンドル端末を試してもらうことにした。
コレ、相当古いんだけどね。ええと2016年に購入した「Kindle Paperwhite マンガモデル 32GB」。当時18,280円だった。
たまに動かなくなるが、まだ使える。
で、ベッドで寝ている母ちゃんに使いかたをレクチャー。
この手の端末は、ボタンがないから年寄りにはタイヘンだと思った。
けれども、お、スマホを使えただけに、なかなかイケそうだ。
しかも、いま現在、母は怪談を読みたくてたまらないので、なにがなんでも使えるようになりたい。
そもそも「読書」に特化している端末だから、覚えることも少ない。
そんなに手間ヒマかからないうちに、ページ送り戻し、目次の出しかたまで、ひととおりできるようになった。
電源オンオフも、カバーの開け閉めに連動しているので、そういうのも地味にわかりやすい。
母「字を大きくできるのが、とってもうれしい!
押すだけでページをめくれるのが便利!」
だよねえ。
私がキンドル使う理由も、おんなじだ。
キンドルって、高齢者向けの機械?だと思うんで、老人施設とかで売り込んだら?
さて、アマゾンキンドルのおかげで、母ちゃん、小泉八雲の怪談をつぎつぎ読めている。
私も、キャプチャ印刷なんてクソメンドーなことから解放されたよ。