ピアノレッスン第101回 記録 |古今東西、いっちゃんエラいひとは誰やねん?

「もうベートーベンを怖がらなくていいのにね」という文字と、「ベートーベン」のイラスト ピアノレッスン記録

「子どもの世界観」って、親が作っているよなあ。
まあ、私の子ども時代を振り返るとそうだった。

ウチの親は、ふたりともクラシック音楽が好きで、とくに父ちゃんがレコードかけまくりのおっさんだったから、「それが当たり前」になっちまった私。

父ちゃんの好きな作曲家って、いろいろ移り変わりがあったものの、私が小学3、4年生のころは、やたらベートーベンにかたよっていた。

まあ、年がら年中聞かされていたし、あと、父ちゃんは、作曲家や演奏家をすごく尊敬していたから、やっぱりそういう価値観も植え付けられてしもうた。

だから、子どものころ、私は「古今東西、いっちゃんエラいひとは、ベートーベン」だと堅く信じていた。

いや、いまも、その「ベートーベンはとくべつ」って感じ、抜けてないかも。




ただでも、ウチのなかで「レコードが鳴っているとき」って、そういえば、親はふたりとも「怒ってはいなかった」ねえ。

う~ん、「厳粛な雰囲気」ですな。

父ちゃんが、ていねいにレコードをジャケットから取り出して、ターンテーブルに乗せる。テーブルが回りだすと、父ちゃんは、青色のふかふかしたブラシ?で、丹念にレコードのホコリを取る。

それから、慎重にレコードの針を持ち上げて、レコードの縁ギリギリにそうっと針を乗せる。

「プツッ」と音がして、しばらくすると、曲がはじまって、ああそうか、今日はピアノ協奏曲の3番なんだなとかがわかる。

そういう「儀式」が、毎晩行われたわけだ。

あ、私の父ちゃんって、べつに「高尚なひと」でもなんでもないよ。
育ちが悪くて万引き癖のある、どうしようもないおっさんっす。おまわりさん、どうもすいませんでした。

子どもにも無関心だったから、修学旅行の費用も出してくれなかったよ。

まあでも、いまにして思えば、小さいころからいい音楽を聞かせてくれて、それはよかったなあって思う。

さらに、「音楽は崇高なもので、それにたずさわるひとは、とくべつなひと」という価値観も、いまの私にとって、ああ、べつにそれでいいじゃんって思えるし。

なので、修学旅行よりベートーベンで、まあOKだったよね。



ハノン

ハノン20番 → 合格

ハノン20番の楽譜、1-5小節

ハノン20番の楽譜、1-5小節

めずらしく、1回弾いただけで合格だった。

変ホ長調スケールとアルペジオ → またまた不合格

ハノン39番変ホ長調スケールの楽譜、1-4小節

ハノン39番変ホ長調スケールの楽譜、1-4小節

スケールは「さっきの20番もそうでしたが、今日は音がよく鳴っています」と言っていただいたが、「アルペジオは、ガタガタしていますね。もっと、たとえば、オイルで滑らかにするようなイメージで」とのこと。

●いま使っている楽譜|ハノンピアノ教本 全音ピアノライブラリー



ベートーベン:ピアノ・ソナタ第10番Op.14-2 第1楽章 ト長調 → 合格(4回レッスン後)

ベートーベン ピアノ・ソナタ第10番Op.14-2 第1楽章 ト長調 の楽譜、1-4小節

ベートーベン:ピアノ・ソナタ第10番Op.14-2 第1楽章 ト長調 の楽譜、1-4小節

う~ん、ものすごくミスタッチが多くて、あちゃーって思いながら弾き終えたんだけどね。
合格にしてくださった。

あーあ、もっと練習して、もう少しいい状態に仕上げたかったな。

合格ではあるが、これまで何度もご指摘いただいたのに、まだ「ベートーベンらしい、メリハリのある強弱」ができていなかった。

それに、いちばん最後のところ。

ベートーベン:ピアノ・ソナタ第10番Op.14-2 第1楽章 ト長調 の楽譜、最後から1-6小節

ベートーベン:ピアノ・ソナタ第10番Op.14-2 第1楽章 ト長調 の楽譜、最後から1-6小節

「最後の一音」が、ちっともウマく弾けていなくて。
それ、ウチでわかっていたんだけどさ。「ここだけの地味な練習」ってのをサボッていたんだ。こういうのも、ちゃんと磨かないとねえ。

「ここはね、まるで『妖精が消える』かのようにね」と、先生は声をひそめて、そうおっしゃる。

妖精か。ああ、そうだよねえ。フッと、いなくなっちゃうんだね。寂しいなあ。

うまく妖精が消えるように、何度も弾いたけど、まあまあ。なかなか「フッといなくなる」ようにできなかったが、もう、この曲はマルになった。うれしいような、寂しいような。

さて、つぎの課題は、またベートーベンだった。ピアノ・ソナタ第5番Op.10-1。ひええ。

ベートーベン:ピアノ・ソナタ第5番Op.10-1 第1楽章 ハ短調 の楽譜、1-8小節

ベートーベン:ピアノ・ソナタ第5番Op.10-1 第1楽章 ハ短調 の楽譜、1-8小節

畏れ多い「ベートーベン」ばかりで、これまた、うれしいような、冷や汗が出るような。

しかもハ短調ですぜ。「借金で破綻」しそうな私にぴったりのハ短調だよ。

●いま使っている楽譜|春秋社版 ベートーヴェン集 1



バッハ:フランス組曲第4番 アルマンド → 3回目のレッスン

バッハ:フランス組曲第4番 アルマンド の楽譜、1-4小節

バッハ:フランス組曲第4番 アルマンド の楽譜、1-4小節

ええと、練習不足で。なんかずっと「ベートーベン優先」で、このところ「バッハ後回し」でいかんのう。

先生「悪くないんですが、ちっとも楽しくない。それに『湿っている』。『しっとり』と『湿っている』はちがいますよ」

それに、私は左手を「でん,でん,どす,どす」弾いてしまっており、先生は「そんなに『そして!』『そして!』ではなくて」

それで、お手本を弾いてくださったが、まあもう、まるであたたかい「木のぬくもり」のような、おだやかな響きで、なんかバッハに聴いてもらいたくなったよ。

●いま使っている楽譜|春秋社版 バッハ集 3



ツェルニー40番の14番 → 2回目のレッスン

ツェルニー40番-14番の楽譜、1-2小節目

ツェルニー40番-14番の楽譜、1-2小節目

「さいしょの一音」が、これまたヘタクソで、何度も直していただく。

あと、やたらめったら指が「転んで」おりまして。しかも自分では気づいていなかった。
「そこ、転がってます」「あ、また転んだ」「そこもほら」と、都度ご指摘。

で、最後のむずかしいところ。

ツェルニー40番-14番の楽譜、最後から1-4小節目

ツェルニー40番-14番の楽譜、最後から1-4小節目

私は「和音(オクターブや「ミ(2)-ド(5)」とか)を上から弾けない」ので、じゃあ、どういう動きが最適になるか、手首や指の位置をたいそうていねいに教えていただく。

先生「せっかく指が動くようになってきたんですから、さらにもっときれいに、最適な動きになるよう、この曲で学びましょう」

そうだなあ、もっとそうしたいな。
ツェルニーも、あまり練習できていなくて、この最後の部分も、とりあえず弾けたらええか、みたいにズボラかましていたんで、反省。

●いま使っている楽譜|ツェルニー40番練習曲 全音ピアノライブラリー


 

ああ、ベートーベン、また一曲、あらたにお迎えしちゃって、ドキドキ。
けどさ、私はもう、子どもじゃないんだから、もっと堂々としてもいいのか。

そうだな。このトシになったら、なに弾いたって「冥土のみやげ」だもんな。

タイトルとURLをコピーしました