やっぱりソコに行きつくというパターン|遠方の心理学セミナー その9

「音楽」にまつわる問題は、私にとって非常に重たくて長年持て余していた。だれにもわかってもらえないと思っていたから、だれかに打ち明けたこともなかった。それほどズッシリとした問題だというのに、周囲は大音量のBGMで騒然としていた。O先生はすぐそばにおられるが、かなり大声を出さないと声が届かない。

いったい全体、なんでこのハナシを私はわめくように話しているんだろう?と、心のうちに湧いてくる奇妙なおかしさを押し殺しながら、おおよそ4才から18才までの経緯を先生に伝えた。O先生は、短く相槌を打ちながら、じっとご自分のなかに何かを沈めるような様子で聴いてくださった。

ああ、やっぱりわかってもらえた! 私はなぜかそう強く確信した。私が話し終えると、先生は少し沈黙したのち、「いまのお話をうかがっていると、おそらく問題は『お母さま』だと思います」とスッとおっしゃった。

あちゃ~、やっぱりソコかよ……と私はげんなりした。ああ、そうですか、「私と音楽」の問題ではなくて、「私と母ちゃん」の問題なんですね。あいたた……

O先生はこう続けた。「たぶん、春子さんは『未完了の感情』を抱えておられるんだと思います。その当時に、処理しきれなかった感情があるんですよ。そうですね、それと向き合うにはひとりではむずかしいです。春子さんの地元近くにいるカウンセラーを知っているのでご紹介しますよ」

私は一瞬、お世話になっているN先生に悪いかな?と思いつつも、せっかくO先生がはからってくださるので、その場では「そうですか。それではあとで先生にメールを差し上げますので、よろしくお願いします」と答えた。

O先生はあっさりとその場を離れて、隣のテーブルに向かわれた。私は、ああ、そうなんだ、やっぱり母ちゃんと向き合わないといけないんだとドヨ~ンとしていた。けれでも「ひとりではむずかしい」ときっぱり言ってもらえてホッとしていた。と安堵しながらも、いやいや、ココでホッとするってことは、要するにまただれかに依存するんだよねえとツッコミを入れる。

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