ICレコーダーは、ずいぶん前から使っている。
理由は、山行記録を録音するため。
山登りの記録を、メモに記入していたが、登っているとちゅうで字を書くのがめんどくさい。
それで、ICレコーダーにしゃべって記録することにしたのだ。
ICレコーダーを使ったなとはっきり覚えているのが、谷川岳だった。
で、調べてみたら、谷川岳を登ったのが、1998年8月1日。
山をはじめて3年目。36歳。
くそう、まだ若くてピンピンしとって、破竹の勢いで登っとるのう。
▼そのころ登った山
こいつ、バカじゃん?
いまもバカだけど、どんだけ登っとんねん?!っちゅーほど、登りたおしておる。
1998年に踏んだピークは73山。
当時はフルタイムで勤めていたが、やっぱり若いから、どっちゅーことなくて、「たまに下山して会社行ってる」みたいな感じだった。
で、ICレコーダーの話に戻る。
つまり24年前からICレコーダーを使っていたものの、アレなあ、だれかがいる場では使えんよなあ。
まあ、コンビニパートへ行き出したとき、まるっきり仕事を覚えられないから、店長さんに断って、ずっとICレコーダーで記録して、ウチ帰って文字起こしして、とかやったけど。
このころから、あんまり楽しいモノを録音できていない。しかたなく取るモノ。
でも基本的に、他人がいるところで勝手にICレコーダーはヤバいよな、という認識だった。
なので、ピアノの発表会でも、もちろんICレコーダーは持って行かなかった。
ところが、こないだ発表会直前のレッスンで、先生が「自分の演奏は、どうぞ録音してけっこうですよ」とおっしゃってくださった。
自分の席に、ICレコーダーを置いて、録音状態にしてから、控え室へ行っていいですと言われる。
ふうん、いいんだあ。
先生「録音は、演奏の直後には聞かないほうがいいかもしれませんね。2、3ヵ月後に聞くと、案外悪くないと思えたりします」
そ、そうなの?
先生が許可してくださったので、先日の発表会では、はじめてICレコーダーで録音した。
ええと、ウマく録音はできていた。
▼ソニー│ICレコーダー│これを使ってみた。
帰りのクルマのなかで、さっそく聞いてみたら、ヘタクソすぎてゲンナリした。
しかし、1曲目のバッハを弾いているとき、緊張しすぎて、じつはなにも覚えていない。
じゃあ、どんな演奏だったのかは、ちょうど録音でわかるのだが、なるほど、たしかに「心ここにあらず」だな。
通りいっぺん弾いてます、みたいにええ加減な弾きかただった。
2曲目のモーツァルト、こっちは弾いている最中に、ちょっと意識を取り戻した。
失敗したところも、かろうじてすり抜けたところも、覚えている部分があり、なるほど、録音でもその通りだった。
あらためて思うのだが、バッハを「意識不明」でギリギリ弾けたのは、それまでにある程度、回数こなして練習していたからだな。
といっても、まったく「手の内にある」感覚はなく、準備万端からはほど遠く、ずっともどかしかった。
そうであっても、とりあえず「あのぐらいの練習量」だったら、多少「自動モード」が働いてくれるんだ。
じゃあ、来年はもっと練習しようじゃねーのっ?!
ふんがあっ!
で、今日になって、もう一度聞いてみた。
うわっ、やっぱりすっげえヘタクソ。
ツッコミどころ満載。
てか、なんでレッスンで受けた注意すら守っていないんだろね?
てか、どうして常日ごろから、自分の演奏を録音して、反省材料にしないんだろね?
電子ピアノで、即録音できるのに、どうしてやらない?
まあ、めんどくせえから。
なんかズルズルベッタリ練習しているほうがラクだから。
う~ん、そのラクに逃げ込むのがあかんのよねえ。
こういう無精さに、トシがあらわれているような気がする。
だってねえ、山をはじめて3年目のときなんか、無精もヘチマもなくて、ロープウェイがある山でも、平気で麓から登っていたもんね。
そんな気概を、もう一度ピアノでよみがえらせたい。