ついうっかり「ピアノの底なし沼」にハマッちゃった。
うわ、もう首まで浸かって抜け出せない。
やってみないとわかんないモンだねえ。
ピアノのレッスンを再開したのは、2年10ヵ月前。
そのときも、鼻息荒くやる気マンマンだったけど、その当時、ココまでおもしろいとは感じていなかった。
どちらかというと、「ちゃんと弾けるようになりたい」って気もちのほうが強かった。
その「ちゃんと」って、まあ、バリバリ弾く曲はバリバリと、ゆったり歌う曲は朗々と。
だけど、そういう当初の目標は、あんまり関係なくなってしまった。
「弾けるようになるウンヌン」というより、「大発見」がおもしろくなってしまったのだ。
レッスンに行くたんびに、なにかしら「大発見」があって、それにおもくそ感心してるのが楽しい。
それにプラスして、ウチでちまちま練習しているのがおもろい。
これは、やっぱり登山に通じるモノがある。
山登りって、結局大半「ただ歩いているだけ」なのよ。
一日6~8時間、まあ、荷物しょって歩くだけ。
やってたころ、なんで「歩くだけ」がこんなにおもろいねんって思っていたけど、ひたすら黙々歩くのが好きなわけで。
それってやっぱり、音楽でも「タカタカ系」を突出して好きなのにも通じるか。
ひたすら、タカタカタカタカって無窮動的な曲、聞くのも弾くのも好きで、心地よいねえ。
で、山登りは、ほぼ自己完結の世界だった。
アレは、基本的に他人は無関係だ。ヒト、いらない。
まあ、登山道を整備してくれるヒトたちとか、交通機関とかはありがたいけど、直接ハナシをするわけじゃない。
ひとりで登って、山ン中でさんざん大はしゃぎして、下りてきて温泉。
それだけで満足できるから、なんだろ、スゴく身軽で簡便に楽しめる趣味だ。
対して、ピアノは先生が必要。
だけど、私はそもそも「習う」のが、これまた大好きで、うん、そう、ピアノのレッスンは毎回「特別セミナー」だね。
結局、ピアノでは「レッスン+自宅練習」がすごくおもしろくて、えーっ、だったら発表会ってなんなん?
いや、年に一度の発表会は「大イベント」だけど、それはまあ、1回ぐらいでいいよ。
だから、私は「人前演奏」って、そんなにたくさんいらないんだな。
いまはもう、YouTubeに演奏アップするのも、まあいいかってなっちゃって。
とくにやらないで済んでいることは、そこまで意欲がないってことでもあって。
余裕もないんだなあ。
じゃあ、勝手にやっていておもしろいのは「レッスン+自宅練習」だけ。
へええ。
んで、できればバッハが多いとうれしいなって。
へええ。
どうしてそういうのでいいのか、サッパリわからないけど、ピアノにおいて、自分が満足できることって、レッスンと練習だけで間に合っている。
なんとなく、ピアノを弾くからには「もっと人前で演奏したい」という気もちがあったほうがいいか?なんて思うけど、まあ、いまそんなこと、湧いてこなくて。
ウチでちまちま磨いたモンを、レッスンに持って行って、「どうですか?」「ココが磨き足りないですね」
で、またウチに持って帰って、ちまちま磨いて、またレッスン「どうでしょう?」「ココがこうで、アソコがああで」
というのだけで、いいみたい。
まあ、山も「登って下りてくる」だけで、これまた似ているといえば似ている。
山は「百の頂きに百のよろこびあり」と言われる。
ピアノのレッスンも、毎回大発見があって、都度感服して押しいただいて帰ってくる。
これをあと5年間、このペースでつづける。で、65歳。
つぎの5年は、徐々にペースを落とす。で、70歳。
残り5年、ぽつりぽつり落穂拾いていどでいく。で、75歳。
はい、健康寿命75歳だね。
すごろくのあがり。