どこのだれが言ってたのか思い出せないが、
「人生がウマくいかないならば、それは、誰かを許していないからだ」ってコトバを読んだことがある。
だいぶん以前に、そのコトバを聞いたとき、私は「ああ、そのとおりだね」と合点がいった。
だって、ずーっと母のことをスゴく悪く思っていたから。
あんなことされた、こんなこと言われたと、ほんとに母のことを恨んでいたからだ。
だから「私は、母を許していない、許せない」と、思い込んでいたし、まあ、たしかに人生もウマくいっていなかった。
けれども、ここ数ヵ月で、母に対する思いが180度逆転。
恨みなんて、氷解しちゃって、もうなんのことだか、思い出せないほど。
べつに許すも許さないも、ソコに居るのは「やさしくて、楽しくて、いいとこだらけのお母さん」だった。
いったい私は、このヒトのなにを見て、なにを恨んでいたんだろう?
という状態になったら、カラダの内から、モゾモゾと若干「パワー」が湧いてきた。
ほんとふしぎなんだが、2ヵ所の引っ越しでけっこうタイヘンにも関わらず、どういうわけか「疲れない」。
あと、忙しい合間をぬって、「自分が楽しめる予定」を挟めるようになった。
ま、近所の温泉行ってみるとか、母を訪問した帰りに外食してみるとか、わりと「自分のキゲンを取る」のがウマくなってきた。
なんとなく「自分の取り扱い方」のコツがわかってきたみたい、いまごろ。
てな具合に、私がなってくると、それは母にも伝染しつつある。
「春ちゃんを見習って、私も楽しいコト、しようと思うわ」という母。
そうそう、欲しいモノはちゃっちゃと買って、やりたいコトもちゃっちゃとやりなはれ!
みたいな会話を電話でしていると、それはそれで、私も楽しくなる。
ああ、ほんとは私、家族が欲しかったんだなあ。
ずっとひとりで、それで満足だと思っていたが、そうじゃなかった。
母と他愛のないハナシで笑い合っていたら、あ、こっちのほうが楽しいや、ってわかった。