むかし、寝たきりの父を世話したのが、はじめての介護だった。
いまから約9年前で、あれ? ネットではそんなに情報がなくて困ったような覚えがある。
私の探し方がヘタクソだったが、「デイサービス」なんぞ知らなかった。
その当時のケアマネさんが、父に「ショートステイ」を勧めてくれた。
「デイサービス」は日帰り、「ショートステイ」は1泊以上できるヤツ。
父は「一泊二日ショートステイ」に行って、帰ってくるなり、
「しょーもなっ! もうぜったい行かんぞっ!」
ケアマネさんは、私にこっそりと、
「まあ、ショートステイにしてもデイサービスにしても、家族さんの負担軽減が目的でもありますしね」
そういえば、母もずっと以前は「デイサービス」をイヤがっていた。
理由は「おばあさんばっかりだから」である。
そんな母ちゃんも、数年前からはデイサービスに通うになっていたらしい。
私と同居してからも、デイでいっしょだったヒトたちの話を頻繁にしている。
ほう、やっぱり同年代のヒトと交流があったほうがええやんか。
というわけで、本日は、サ高住を退所してから、はじめてのデイサービスだった。
まずは「お試し」ということで、母は、午前9時半にデイお迎えのクルマで出掛けた。
ふう、やれやれ、ようやくひとりになれたぜ。
といっても、やることが山積み。
洗濯、買い物、電話連絡、メール返信、ライン返信等、細けえ雑用にウンザリ。
相変わらず引っ越し荷物の片付けもまだまだ残っている。
その合い間をぬって、やっとピアノの練習を合計1時間。
ピアノなあ、ほとんど練習できないし、前回のレッスンから1ヵ月以上経ってしまった。
とはいえ、デイのおかげで自分の用事に専念できて、非常に助かった。
だが。
母ちゃんは、お試しデイから、疲れ果てて帰ってきた。
帰宅も午後5時40分、これはわかっていたものの、遅すぎる。
いったいどうしてそんなに憔悴しているのか?
母「なんにもしてくれないの。
みんなに、ぼーっとテレビを見させるだけ。
ちょっとだけゲームをしたけど、あとはなにもしないで、そこに座っているだけ。
放ったらかしにされて、ものすごくつまんなかった」
ありゃー、そんなトコだったのか!
母は、今回のデイは3ヵ所目。
前の2ヵ所の様子は、私もくわしく聞いているので、さすがにこの「お試しデイ」はヒドいとわかった。
たしかにねえ、「なにもしないで、時間がたつのを待つだけ」なんて、疲れ果てるよな。
たまたま隣に座っていたヒトと、ちょっとは会話したそうだが、母は「聞き役」に徹するタイプなので、ああ、それもしんどかったろう。
お昼ご飯も、サ高住と負けず劣らず「恐ろしくマズかった」らしい。
せっかく楽しみにして行ったのに、コレもかわいそうだったな。
ただ、午後5時すぎまで預かってくれるのは、働いている家族は助かるんじゃないかと思った。
母ちゃんは、ひとしきりグチをこぼしたのち、
「でも、いろんなトコがあるって勉強になった」
ほう、前向きじゃねーか!
また、ケアマネさんに他のデイを探してもらおうね。