「食事のとき、目の前になにがあるか?」で精神状態が変わるんです

日々のあれこれ

私が、はじめてパソコンを買ったのは、たぶん1999年、37歳のころらしい。

ええと、正確な記録が見つかんねーよ。

デジタル日記を付けはじめたのは、もっとずっと後なので、紙の記録なんていまはなにも残っていない。

だから、ウロ覚えなのだが、だいたい37歳ごろかね。

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買ったのはNECのデスクトップパソコン。

ハードディスクの容量は16GBで、「おう、こんだけ容量あったら一生イケるわ」と安心したのを覚えている。

ネット回線はISDNだった。おっそ~い。

そのパソコンを机の前にデンと据えて、以来「パソコンの画面を年がら年中眺める」という生活がはじまった。

ネット接続の定額制は、しばらくして導入されたかのう。

当時は、いちおう会社に勤めていて、雑用や事務をやっていた。




会社から帰ると、すぐさまパソコンを立ち上げて、晩ご飯食べるときも、ずーっとネットを見ながら。

それが寝る直前までつづく。

朝も、まずパソコン。それ見ながら朝食を食べる。

休日はもちろん、朝から晩までネット漬け。

結局、「食事中は、ずーっとネットを見ている状態」が、1999年からついこないだまで、24年間つづいた。

すると、どうなるか?

っつーと、「なにを食っとるんだか、さっぱりわからん」ってなる。

もともと「食」に関心が薄いから、なに食べてもおんなじだけど、ますます「食べることはどーでもええわ」となった。

さて、このような食習慣が、劇的に変化したきっかけは、母との同居である。

母は「食べることが大好き」であり、おしゃべりをしながらゆっくり食事を楽しみたがる。




食事にかける時間は1時間ぐらいかな。

母のほんとの望みは、食後さらに3時間、話をすることだが、おい、ソレやられると一日合計12時間(4時間×3回)拘束されるだろっ?!

なので、食後のおしゃべりは、せいぜい小一時間で切り上げて、私は家事その他に戻る。

その「切り上げ」が、母ちゃんにとってたいそう不満であることは重々承知しているが、まあねえ、なにもすることがない90歳と、いちおう最低限の家事担当61歳じゃ、どこかで折り合いつけないとなあ。

で、私の「食事風景」は、これまで長きにわたり「パソコン画面」だったのに、それが「母ちゃんの顔」になったのだ。

見るモノは母の顔、聞くモノは母の話になって、あああ、不自由だなあ~と思うよ、正直。

自分の興味がおもむくまま、ネットを徘徊し、YouTube廃人だったあのころ、なんと自由であったか!

しかし、だ。

「生身のニンゲンを眺めている」のと、「ネットを眺めている」のとでは、相当大きなちがいがあるとわかってきた。




よく「ヒトとのコミュニケーションが大切」なーんて、見聞きする。

が、あたしゃ、ヒトと接するのがおもくそメンドーで、べつにそんなんいらんわと思っていた。

しかし、実際に母とがっつりコミュニケーションを取ることになったら、ふうん、自分が変わってきたのよね。

はっきりと「良くなった」

「やる気、意欲、張り合い、積極性、覇気」が出てきた。

ひとりでネット漬けになっていたとき、どうしても得られなかった「そういうたぐい」が湧いてきた。

もちろん、母の話にウンザリ、ゲンナリすることもよくある。

ひとり暮らしに戻れたら、どんなに気楽だろうとも思う。

だが、自分の状態を総合的に見てみると、「良い変化」のほうがずっと多い。

なるほど、同居人がいるって、こういうメリットがあるんだ。

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