問題はつぎつぎ発生する。
でも、対応できるのはひとつずつ。
それに、いまはある程度家事をやらないといけない。
といっても超手抜きだから、なにか長時間かかる家事はもともとない。
だのに、なんやかんやで一日があっという間に過ぎていく。
「母の話相手」をつとめることも、大切な用事。
「問題解決」も重要だけど、ソレを優先して、母の話を短く切り上げてしまうのは、本末転倒だ。
私自身が、アセらずにゆったりとした気もちで、母ちゃんの話に耳を傾けるようにしている。
さて、そうしていると、たまにはいい方策も飛び込んでくる。
偶然チラシで発見したのだが、「民間サポート」でよさそうなのがあった。
いま、いっちゃん必要なのが「転倒したときに、立ち上がりを介助してもらうこと」。
母ちゃん、コケたら自力で起き上がれない。
で、私も腕や手に痛みがあるので、コケた母を持ち上げて、立たせることが不可能。
いまのところ、スポット的に駆けつけて「立ち上がりを介助するサービス」が、ない。
いや、あるにはあるが、ネットで見かけたのは1万円以上かかるので、母ちゃんが却下。
ケアマネさんに「安くてそういうサービスはありませんか?」と、以前お願いしているけど、まだ回答がない。
「立ち上がり介助をスポットで」というのは、もともと需要がないんだろうか?
しかし、チラシの民間サポート会社に、とりあえず電話してみた。
チラシによると、「シニア対象で、ちょっと困った」の解決をしてくれるらしい。
電話はまず、本部?らしきところにかかった。
「あのう、高齢の母がコロんだとき、娘の私が、母を立ち上がらせることがデキなくて……
そういうの、介助するのに来ていただけますか?」
「ああ、はいはい、よく相談されますよ」
「えっ?! そ、そうなんですか?」と色めき立つ私。
ところが、本部スタッフのヒトはこう言った。
「あのですね、結論から言いますと、『できなくはない』んです。
けれども『とても時間がかかる』んです」
「どのぐらいでしょうか?」
「たとえば、もし今日だとしても、その日の担当者に、たまたま空き時間がデキたら、お伺いが可能、ということなんです。
なので、まあ、今日中はムリで明日なら、ということにもなります。
それに、各地域の担当者は、日中すでに予約の仕事で動いている最中です。
ですから、こちらにお電話いただいて、担当者から折り返し電話をするのも、何時間もかかるのがふつうなんです」
なーるほど、よくわかった。
チラシの例では「電球交換、窓拭き、買い物代行、ゴミ出し」などが載っている。
高齢者ではむずかしい、ちょっとした用事をサポートしてくれるのが、ココのサービスなんだ。
だから、まず予約が優先であり、「転倒時の立ち上がり介助」のように突発的に起こるサポートは、どうしても後回しになるらしい。
それに、電話の受付時間は8:00~18:00。
土曜日曜は、往訪していない。
ってことは、たとえば金曜日の夜にコケたら、月曜日までそのまんま。
いやあ、二日間以上、「床に母を、そのままコロがしておく」のは、さすがにねえ。
けれども、電話に出たヒトは、こちらの困り具合をとてもよくわかっていて、
「お母さまが転倒されたときは、いちどこちらに電話してください。
そして、ほかにも当たってみて、もしほかで対応できるようなら、こちらをすぐにキャンセルできますよ」と言ってくれた。
いやいや、そんなふうに言ってもらえるだけでも助かった。
気になる料金も、20分で1000円+交通費約500円。
母は「高すぎる」と言っていたが、まあね、ヒトひとりが動いたら、このぐらいはかかるように思うけど。
母の望みは「極力、他人に来てもらいたくない」ことと、「料金を無料にしたい」こと。
コレもできるだけ叶えてあげたいが、ふう、難題のたぐいですな。
タダで動くのは地震だけっすよ。